2021-01-01から1年間の記事一覧

「奇妙な菌類 ミクロ世界の生存戦略」白水 貴著

菌類がなんでもありでいかに様々な能力を持っているか紹介。 菌類が木材を分解する能力を獲得してから、石炭はできなくなったそうな。 微小生物を捕食する菌がいるとか、菌は植物より動物に近い。 高さ8mの幹を持つ菌の化石があるとか、どんな世界だよ。

「インド三国志」陳舜臣著

17世紀のインド。この場合の三国は、イスラム教のムガール帝国、シヴァージー率いるヒンドゥー勢力、東インド会社。 ムガール帝国は中央アジアの遊牧民による征服王朝で、当初は宗教に融和的だったものの、宗教キチのアウラングゼーブが皇帝になってイスラム…

「実在とは何か ――量子力学に残された究極の問い」アダム・ベッカー著

黎明期の量子力学の話から、コペンハーゲン解釈をめぐるボーア・アインシュタイン論争、ボームやベルらコペンハーゲン解釈に疑問を持つ物理学者の話。 内容的には先日読んだカルロ・ロヴェッリの本と近いが、カルロは自分の解釈が正しいという話で、こちらは…

「世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論」カルロ・ロヴェッリ

カルロ先生の三作目。 「すごい物理学講義」カルロ ロヴェッリ著 - shpolskyのブログ 「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ著 - shpolskyのブログ 量子力学黎明期の物理学者のお話。そこから始まる量子力学の観測者問題。 観測者問題の解釈として、コペン…

「北天の星」吉村昭著

上下巻。吉村先生が数書いている漂流物の一種ですが、船が難破したのではなくロシアに拉致されたという変わり種。 文化露寇というロシアの襲撃で択捉島にいた五郎次は連行されてオホーツクへ。日露の関係は険悪になって五郎次はなかなか帰国するチャンスがな…

「13億人のトイレ 下から見た経済大国インド」佐藤 大介著

人口13億人のインドで、トイレのない生活をしている人は5億人以上いるという衝撃の内容。 トイレを維持する経済的余裕がない人が多いとか、上下水道の整備が進んでいないとか、必要を感じていないとか、トイレ普及への道のりは遠い。 政府がトイレ普及のため…

「羽柴を名乗った人々」黒田 基樹著

政権の強化のために、「羽柴」が一門衆から、有力大名へ広がっていく詳細。 有力大名はほぼ全部羽柴を名乗ることになる。 大坂の陣で羽柴本家が滅びたら、羽柴を名乗る家はなくなる。羽柴分家筋は木下になる。

「そしてドイツは理想を見失った」川口マーン惠美著

ドイツに対して批判的な論評を良く書く著者による最近のドイツの話。 川口ロマーンさんとずっと勘違いしてた・・・ ドイツと中国の関係性、エネルギー状況、政治情勢等。 メルケルの評伝を読んだことがありますが、あの人の政治思想はいまいち見えないところ…

「憲法で読むアメリカ史」阿川 尚之著

アメリカ合衆国憲法は1787年成立。1889年公布の大日本帝国憲法より100年も前。アメリカに歴史がないなんてことはないわけだ。 社会の移り変わりによってどのように憲法解釈を変え、憲法を変えてきたか事例ごとに紹介した内容。 ホームズ判事の話が印象的。法…

ウィッチャーV 湖の貴婦人

ウィッチャー小説版最終巻。 時空を超えた放浪を続けるシリと、ゲラルトと愉快な仲間たちがついに同じ空間に集まり、宿敵と最終決戦します。 そして明かされる皇帝エムヒルの正体・・・ってゲーム版だと最初からわかってる話だし、むしろ小説の途中で皇帝は…

浜松

祝日なので浜松行きました。 高塚駅からスズキ歴史館。スズキの工場の組み立てのやり方、歴代の車両勢揃いでなかなか見応えがあります。がちゃが一回引けて、車のミニチュアもらえました。 浜松駅に行き、浜松ジオラマファクトリーへ。山田卓司先生によるジ…

「ウィッチャーIII,IV」アンドレイ・サプコフスキ著

小説ウィッチャーの3巻と4巻を読みました。 前回ポータルで消えてしまったシリ。3,4巻では一人になったシリの苦難と、シリを追うゲラルトと愉快な仲間たちの話になります。 シリの苦難がハードコア過ぎて、ちょっと映像化できないんじゃないかと思う・・・最…

「ウィッチャーI,II」アンドレイ・サプコフスキ著

小説版ウィッチャーの1,2巻読みました。ゲームのウィッチャー3はクリア済み。主要キャラはイメージできる。 小説はゲームよりかなり前の話で、シントラ王国が陥落して、王女シリは脱出してウィッチャーのゲラルトとともにウィッチャーの里に身を寄せる。 シ…

駿府城

新幹線のグリーンポイントが溜まったので、こだまで静岡まで。 静岡浅間神社に行きました。 参拝した後、裏の山道を登ると賤機山古墳。 さらに山の稜線を上っていくと、賤機山城跡。市民のハイキングコースらしく人が多くトレイルランしてる人もいる。 さら…

「ラストエンペラー習近平」エドワード・ルトワック著

今年出たルトワック先生の最新作。 最近の情勢に合わせて内容をアップデート。と言いつつ、言ってることは前作までとだいたい同じ。 現代戦はドローンや潜水艦が最強というのはどうなのかな。よくわからんね。

藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩

多磨霊園、番町、皇居周辺、鎌倉、諏訪でぶらぶら歴史散歩。 一度は周辺に行ったことあるとこばかりだけど、実はこんな歴史的なとこがたくさんあるとは知らなかった。東京はもうあんま行くとこないなあと思ってたらそんなことはなかった。 この本を参考に色…

「劉邦」上中下 宮城谷昌光著

漢の創始者劉邦のお話。 宮城谷昌光先生のことだから劉邦の祖父の代から始めるかと思ったら、普通に中年劉邦から始まったのでホッと安心。 この劉邦は、人使いがうまくて、異様に感が冴えてる優秀なキャラ。一代で皇帝に成り上がるから無能なわけはない。 基…

閃光のハサウェイ

ネトフリで見ました。 逆襲のシャアやUCで人類の可能性を見ても、結局新作では殺し合いは止まらないので、 宇宙世紀はどうやったって地獄の世界なのです。ガンプラ売らなきゃいけないのでしょうがないね・・・ ハサウェイ第一作はあんましモビルスーツ戦がな…

「県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実」藪 正孝著

北九州で工藤会と戦ってきた刑事による工藤会との戦いの記録。後半は暴力団への対処法。 初期の頃は頂上作戦で幹部を逮捕していたが、それでは暴力団の勢力を削ぐことは難しい。社会から暴力団を排除するために、警察対暴力団ではなく、市民対暴力団に持って…

DUNE デューン 砂の惑星

IMAXで見てきました。 「メッセージ」の監督らしく、人間を圧倒する巨大造形が際立ってます。 サンドワームがヤバイ😆 ホドロフスキーはリンチ版のDUNE見て、できの悪さに喜んでたけどこれはどうかな? 明らかに続きがある終わりだけど後編は作られるのだろう…

「芙蓉の人」新田次郎著

明治時代に富士山山頂に気象観測所を建て越冬に挑戦する野中到と、行動をともにする妻千代子の話。 夫に断られるのがわかっているのに綿密に準備して富士山頂までお仕掛けてしまう妻の行動力がすごい。 冬季の富士山頂の描写は限界を超えていて、厳冬のなか2…

「“トウモロコシ”から読む世界経済」江藤 隆司著

穀物市場が世界経済にどのように関わっているか。 著者は商社に勤務し、アメリカのトウモロコシバンカーに関わった経験を記している。 先物相場をやったことはあるけど、商品がどのように売買されて流通して値段が決まるか、実際の現場を見るととても勉強に…

「歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド」大矢 博子著

私は読む時代小説は著者が決まってしまっていて、同じ人の本ばかり読んでる。 最近の人とか全然読まないので、たくさん紹介してもらえてとても参考になる。 三国志について著者ごとのカラーの違いが笑える。参考書的な吉川英治、ハードボイルドな北方謙三、…

「世界はありのままに見ることができない ―なぜ進化は私たちを真実から遠ざけたのか―」ドナルド・ホフマン著

生物は真実を知覚するために進化したのではなく、生き残るために進化した。 我々が見るものはデスクトップ上のアイコンと同様に、役には立つけど真の存在を表しているわけではない。 哲学者の「空の月は存在しない」とか、ユクスキュルの環世界につながる議…

「サラ金の歴史-消費者金融と日本社会」小島 庸平著

中公新書。サラ金の歴史を過度に批判的にならずに客観的に書かれていてとてもおもしろい。 サラ金誕生以前は無担保の借金は基本的に親戚知人の間だけ。 サラリーマンという職業が出てくると、定期収入を見込んで金を貸す人が出てくる。 団地が出てくると、初…

美濃

緊急事態宣言が明けたので久々に遠出。 岐阜駅からバスに乗って美濃市へ。 名鉄美濃駅跡。 車両展示。 野口五郎の碑。 うだつの上がる町並み方面へ行って、小倉山城へ。 公園入り口の城っぽい建物。 城っぽい展望台。 展望台からうだつの上がる町並み。 長良…

Xbox Series X

やっとソフマップの抽選に当選してXbox Series Xを入手できました。 XBOX ONE Xを買ったのは2017年12月で4年ぶりに本体新調。と言っても、series xの発売から1年程度経って、未だに入手困難ですが。。。 shpolsky.hatenablog.com onexはひらぺったかったけど…

「日本人の歴史観 黒船来航から集団的自衛権まで」

今は亡き岡崎久彦先生、坂本多加雄先生と北岡伸一氏の三名による歴史鼎談。 保守による歴史語りと言ったところ。 岡崎先生の本はだいたい読んでいるので、ある程度はわかっているつもりだったが、人物評価(田中義一上げ、広田弘毅下げ)なんかは結構意外。

「連星からみた宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで」鳴沢 真也著

実は恒星の半分は連星で、連星なくして天文学の発展はなかったというお話。 連星というと三体ですが、そんな世界はありふれていたんですなあ。 恒星の光度変化などを計測することで、連星の公転周期がわかり、色とか周期とか色々調べることで、連星の数とか…

「裏切りの塔」G・K・チェスタトン著

チェスタトンの短編集。チェスタトンは相変わらず固定観念を破壊してくれる。 怪奇譚かと思ったら殺人事件になって、最後は違う方向に着地する「高慢の樹」 最後の最後でどんな手口だよと驚かされる「裏切りの塔」 等々、アイデアの宝庫です。