2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「彦九郎山河」吉村昭著

幕末の尊王運動の魁、高山彦九郎の生涯。 みなもと太郎の風雲児たちの描写はちょっとギャグ風味で話を盛ってて、どこまで作り話かわからんところがある。作者の好き嫌いで人物の善玉悪玉はっきりしてるしね。 吉村昭だと、小説というより旅の宿泊記録かなっ…

「源頼政と木曽義仲 - 勝者になれなかった源氏」永井晋著

中公新書。題名の両者に関係するのは以仁王で、それに関係したから結果的に滅んでしまった。 後白河法皇は治天の君として即位させた高倉天皇の系統しか認めず、以仁王による反乱は皇位簒奪になるから絶対に認めない。源頼朝は皇位に関係ないから妥協の余地が…

「奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語」三崎律日著

トンデモ本を面白おかしく紹介するような雰囲気を出しつつ、実際は割と真面目に現代の価値観と過去の価値観について考えさせる内容。 ヴォイニッチ手稿はよく話題になるけどさっぱりわからないので、これまでの流れが整理されて勉強になった。 米ソの宇宙開…

嵐山福田美術館

去年嵐山に福田美術館ができて、クソ込みだったわけですが、コロナ、平日、雨で今でしょということで休みとって行ってきました。 行きはEX予約で新幹線。嵐山までの乗車券を用意して、指定席券は別に発券したら、仕様が変わってあらかじめメールで二次元コー…

「ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在」福島香織著

まとまった資料としては初めて触れる話題。現代でこんなことやっててなんで許されるのかと不思議でしょうがない。 中国共産党が邪悪な政体であることは認識せにゃならんわな。 リアリズム外交で政体に関わらずパワーバランスをという本もあったけど、こんな…

「女帝 小池百合子」石井妙子著

著者の主観的な評価とか、真偽不明なエピソードとかが多いので、そのへんはなんとも言えない。 ただ、政治家としての遍歴を追って見ると、定見もなく、その場の勢いでのし上がってきたのがよくわかった。 一時期希望の党がすごい勢いで、これで自民党に勝っ…

「入門 東南アジア近現代史」岩崎育夫著

講談社現代新書。 案外知らない東南アジア諸国の歴史。 東南アジアとひとくくりに言っても、多様性に富んだ世界。民族、宗教、言語、政治体制等々一様ではなく、一つの国家の中も多様性。 政治体制の歩みは、土着国家、植民地、独立、開発独裁、民主国家とい…

「歴史に残る外交三賢人-ビスマルク、タレーラン、ドゴール」伊藤貫著

リアリズム外交とはなにか。バランス・オブ・パワー勢力均衡の維持。 外交に普遍的正義や好き嫌いの情緒は不要。 国際政治の行動主体は国民国家であり、国際機関や同盟関係ではない。 こういうことがずばっと書かれた本は貴重ですね。昨今のポピュリズム政治…

「米中もし戦わば」ピーター ナヴァロ著

米中間のいろんな問題に選択問題で回答を考えさせる内容。 たいてい一番悲観的な答えが正答だったりする。。。 中国の戦闘能力が予想以上に高く、アメリカとの差はかなり縮まっているという解説には焦りを感じる。 兵頭二十八の本に、中国は機雷封鎖でなんと…

「海の地政学-覇権をめぐる400年史」竹田いさみ著

中公新書。 大英帝国による植民地帝国、スエズ運河の確保による海洋覇権。 アメリカの捕鯨のための太平洋進出から、パナマ運河開発による海洋覇権。 第二次大戦後の海洋ルールの策定。 近年の中国による海洋ルールへの挑戦。 日本の海上保安庁の役割。