「ある町の高い煙突」新田次郎著

日立鉱山の煙害と戦う村の青年のお話。ある町というよりある村ですな。

公害問題は企業と地元との闘争になるものだけど、この話ではなんとか踏みとどまって、企業が投資して大煙突を立ててなんとかするという方向。なんとかならない可能性もあったよな。

村の名家の世継候補三郎君が、上級学校進学を諦めて、村のために公害問題と戦うというのはフィクションで、新田次郎がどこまで話を作っているのかは不明。

ババアがひたすら怖い・・・

「藤井聡太論 将棋の未来」谷川 浩司著

谷川先生による藤井聡太がいかにすごいかという話。

結論は全部すごい。

同世代にライバルはおらず、これからの世代から出てくるだろうとのこと。

勝率ばかりを見るのではなく、勝ち越し数を見るべきで、すでに渡辺名人の勝ち越し数の半分になっているそうな。

「サラブレッドに「心」はあるか」楠瀬 良著

サラブレッドがどのように行動するかを実証的に検証した結果を紹介。

馬が競馬のゴールを知っているかという疑問について、武豊は知っていると回答するも、別の騎手は馬は騎手の気持ちに反応するだけという。馬に限らず、動物は普段から一緒にいる人の気持ちを読み取る能力が非常に高いので、ある行動を取ったからと言って、人の気持ちに答えただけで、行動の意味を理解しているかは判定が難しい。

馬は記憶力が良いと言われるが、実際は聴覚の記憶はとても良いが、それ以外の記憶は微妙らしい。生まれた牧場に戻っても母子関係を忘れていることが多い。元競走馬に競馬場のファンファーレを聞かせると、何かをしなければと焦りだすそうな。

「天璋院篤姫」宮尾登美子著

大河ドラマ原作、13代将軍の御台所篤姫の生涯。

島津の分家から本家の姫とされて、将軍家へ輿入れ。

将軍家定は病弱で、すぐ他界。

14代将軍家茂には和宮が輿入れして、本の後半では天璋院和宮の愛憎がメインでした。

天璋院は大奥の総帥で、人格器量すごいと褒め褒めだけど、実際何がすごいのかはいまいちわからんかった。

大奥では斉昭、慶喜と水戸の人は嫌われていて、そこの描写はなるほどねという感じ。

将軍の子供が早死しまくる理由は、白粉が毒だったのと、女通しの権力争いがあったんだろうなという感想。だから江戸時代後半は御台所が権力トップとして、乳母とか将軍生母に権力がいかないような構造にして権力闘争が起きにくいようにしたんだろうな。

将軍が健康で子供をたくさん作れなければ、大奥は経費がかかるだけの存在だなあと思ったり。

「昭和新山」新田次郎著

表題作昭和新山と他短編6話。

太平洋戦争中に有珠山近くの開拓地で隆起が始まり、それを観測する郵便局長の話。火山ができてしまい開拓地の住民は住めなくなって退散。郵便局長は自分の土地を売って新山の土地を購入。戦後に注目を浴びて観光地になる。土地を売って欲しい声が多くあるも、郵便局長は一族で山を守っていくことにする。

他、南極観測隊のストレスのはけ口となるべく用意された南極1号の話とか。

「合衆国崩壊」3,4 トム・クランシー著

全4巻のうちの後半。

前半で伏線を張りまくって、後半でがんがん回収するわけですが、3巻ではライアンの娘への襲撃とエボラウイルステロの発生、4巻でウィルステロへの対策、第二次湾岸戦争と進みます。

娘への襲撃は警備隊が体をはってテロリストを撃退するわけで、子どもたちへの思いが絡んでくると涙腺が緩んでしまいます。

ウィルス蔓延は時事ネタですね~。クランシーの未来予知能力はなかなかのもの。

ウイルスでほとんどの部隊が動きが取れない中、無事だった少数の部隊をサウジに送り込んで第二次湾岸戦争をやりますが、現代の情報テクノロジー(C4ISR?)であんなに圧倒できるんでしょうか?実際にイラク戦争ではかなり圧倒したわけですが。

アメリカ国内の爆弾テロの話は特に回収されなかったのですが、なんだったんだろうか・・・最初は使おうと思ってたけど使えなかったのかな。