読了

「県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実」藪 正孝著

北九州で工藤会と戦ってきた刑事による工藤会との戦いの記録。後半は暴力団への対処法。 初期の頃は頂上作戦で幹部を逮捕していたが、それでは暴力団の勢力を削ぐことは難しい。社会から暴力団を排除するために、警察対暴力団ではなく、市民対暴力団に持って…

「芙蓉の人」新田次郎著

明治時代に富士山山頂に気象観測所を建て越冬に挑戦する野中到と、行動をともにする妻千代子の話。 夫に断られるのがわかっているのに綿密に準備して富士山頂までお仕掛けてしまう妻の行動力がすごい。 冬季の富士山頂の描写は限界を超えていて、厳冬のなか2…

「“トウモロコシ”から読む世界経済」江藤 隆司著

穀物市場が世界経済にどのように関わっているか。 著者は商社に勤務し、アメリカのトウモロコシバンカーに関わった経験を記している。 先物相場をやったことはあるけど、商品がどのように売買されて流通して値段が決まるか、実際の現場を見るととても勉強に…

「歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド」大矢 博子著

私は読む時代小説は著者が決まってしまっていて、同じ人の本ばかり読んでる。 最近の人とか全然読まないので、たくさん紹介してもらえてとても参考になる。 三国志について著者ごとのカラーの違いが笑える。参考書的な吉川英治、ハードボイルドな北方謙三、…

「世界はありのままに見ることができない ―なぜ進化は私たちを真実から遠ざけたのか―」ドナルド・ホフマン著

生物は真実を知覚するために進化したのではなく、生き残るために進化した。 我々が見るものはデスクトップ上のアイコンと同様に、役には立つけど真の存在を表しているわけではない。 哲学者の「空の月は存在しない」とか、ユクスキュルの環世界につながる議…

「サラ金の歴史-消費者金融と日本社会」小島 庸平著

中公新書。サラ金の歴史を過度に批判的にならずに客観的に書かれていてとてもおもしろい。 サラ金誕生以前は無担保の借金は基本的に親戚知人の間だけ。 サラリーマンという職業が出てくると、定期収入を見込んで金を貸す人が出てくる。 団地が出てくると、初…

「日本人の歴史観 黒船来航から集団的自衛権まで」

今は亡き岡崎久彦先生、坂本多加雄先生と北岡伸一氏の三名による歴史鼎談。 保守による歴史語りと言ったところ。 岡崎先生の本はだいたい読んでいるので、ある程度はわかっているつもりだったが、人物評価(田中義一上げ、広田弘毅下げ)なんかは結構意外。

「連星からみた宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで」鳴沢 真也著

実は恒星の半分は連星で、連星なくして天文学の発展はなかったというお話。 連星というと三体ですが、そんな世界はありふれていたんですなあ。 恒星の光度変化などを計測することで、連星の公転周期がわかり、色とか周期とか色々調べることで、連星の数とか…

「裏切りの塔」G・K・チェスタトン著

チェスタトンの短編集。チェスタトンは相変わらず固定観念を破壊してくれる。 怪奇譚かと思ったら殺人事件になって、最後は違う方向に着地する「高慢の樹」 最後の最後でどんな手口だよと驚かされる「裏切りの塔」 等々、アイデアの宝庫です。

「南北戦争-アメリカを二つに裂いた内戦」小川 寛大著

知識があまりない日本人向けに書かれた南北戦争の入門書。 リンカーン、グラント、リーあたりは名前を知っていても具体的にどういう人が前知識なかったり、映画「グローリー」「リンカーン」見たけど背景がよくわからなかったので、この本は非常に勉強になっ…

「武田信玄 山の巻」新田次郎著

全4巻の最後。 信長が上洛し、信玄は焦る。 駿河を掌握後、西上作戦を開始。伊那から天竜方面に進出し、遠江へ侵攻。 遠江の要二俣城を陥落させる。 浜松城に籠もる徳川軍を三方原に誘い出し、野戦で勝利。徳川軍を粉砕する。 三河の野田城を陥落したところ…

「牧師、閉鎖病棟に入る。」沼田 和也著

牧師で幼稚園園長だった著者が、精神のバランスを崩して精神病院に入院した体験記。 閉鎖病棟に2ヶ月、開放病棟に1ヶ月入院して退院。その間の病棟で出会った患者との日常や、自分の精神の振り返り。 牧師をやっていて、仏教とかの宗教や哲学の知識があって…

「武田信玄 火の巻」新田次郎著

駿河攻略を前に、嫡子義信との路線対立は決定的になり、義信は幽閉後病死する。 駿河攻略を開始し、今川家は早々に崩壊するも、北条による横槍で、一次は撤退。 二次は小田原攻めを陽動として、北条を引かせて、駿府攻略を成功させる。

「大戦勃発」3,4トム・クランシー著

大戦勃発の後半。3巻の途中までが壮大な前フリで、以降中国軍によるシベリア侵攻が開始される。それまでがダルい分現代戦の描写はカタルシスがあり引き込まれる。 前作でもそうだけど、米軍がやたらワンサイドゲームになるのは、本当なのかなあと疑問に思っ…

「武田信玄 林の巻」新田次郎著

武田信玄二巻。 今川義元が桶狭間で討ち取られ、信玄は駿河取りの計画を進める。 北信濃の支配権を得るために川中島に海津城を築城。 前半のクライマックスたる上杉との川中島の戦いが勃発し、両軍大激戦の未、海津城を確保した武田軍が勝利。北信濃の支配権…

「武田信玄 風の巻」新田次郎著

全4巻の最初。新田次郎の息子の勝頼の話は先に読んだ。 武田晴信が父の信虎を追放して、家督を継ぎ、 信州の諏訪、小笠原、村上と戦いを繰り広げる。 最初の頃から結核の気配があり、体調不良だと判断がおかしくなる。 晴信は戦上手と言われるものの、話の中…

「大戦勃発」1,2 トム・クランシー著

ジャック・ライアンものの全4巻のうち1,2。 前回合衆国崩壊でライアンは大統領になり、イスラム共和国を粉砕しました。 今回、ライアンは大統領選挙に勝利して大統領を継続中。(大統領は向いてないとことあるごとにぼやくのは若干見苦しい。) 日本、イラン…

「ある町の高い煙突」新田次郎著

日立鉱山の煙害と戦う村の青年のお話。ある町というよりある村ですな。 公害問題は企業と地元との闘争になるものだけど、この話ではなんとか踏みとどまって、企業が投資して大煙突を立ててなんとかするという方向。なんとかならない可能性もあったよな。 村…

「藤井聡太論 将棋の未来」谷川 浩司著

谷川先生による藤井聡太がいかにすごいかという話。 結論は全部すごい。 同世代にライバルはおらず、これからの世代から出てくるだろうとのこと。 勝率ばかりを見るのではなく、勝ち越し数を見るべきで、すでに渡辺名人の勝ち越し数の半分になっているそうな…

「サラブレッドに「心」はあるか」楠瀬 良著

サラブレッドがどのように行動するかを実証的に検証した結果を紹介。 馬が競馬のゴールを知っているかという疑問について、武豊は知っていると回答するも、別の騎手は馬は騎手の気持ちに反応するだけという。馬に限らず、動物は普段から一緒にいる人の気持ち…

「天璋院篤姫」宮尾登美子著

大河ドラマ原作、13代将軍の御台所篤姫の生涯。 島津の分家から本家の姫とされて、将軍家へ輿入れ。 将軍家定は病弱で、すぐ他界。 14代将軍家茂には和宮が輿入れして、本の後半では天璋院と和宮の愛憎がメインでした。 天璋院は大奥の総帥で、人格器量すご…

「昭和新山」新田次郎著

表題作昭和新山と他短編6話。 太平洋戦争中に有珠山近くの開拓地で隆起が始まり、それを観測する郵便局長の話。火山ができてしまい開拓地の住民は住めなくなって退散。郵便局長は自分の土地を売って新山の土地を購入。戦後に注目を浴びて観光地になる。土地…

「合衆国崩壊」3,4 トム・クランシー著

全4巻のうちの後半。 前半で伏線を張りまくって、後半でがんがん回収するわけですが、3巻ではライアンの娘への襲撃とエボラウイルステロの発生、4巻でウィルステロへの対策、第二次湾岸戦争と進みます。 娘への襲撃は警備隊が体をはってテロリストを撃退する…

アイドルホース列伝 1970-2021

ハイセイコーからソダシまで、101頭の思い出。 私が競馬を見始めたのはナリタブライアンが三冠を取った頃。 次の年にライスシャワーが7歳で天皇賞を勝ち、偉い馬だなあと思ったら、宝塚記念で死んでしまって呆然とした。そういう思い出があるので、ウマ娘で…

「レッド・メタル作戦発動」上下 マーク・グリーニー著

トム・クランシーの共著者をやっていたマーク・グリーニーによる、現代戦争。 トム・クランシーのレッドストーム作戦のリバイバル的なものか。 レッドストーム作戦は、ソ連軍が中東の石油を確保するために、NATO軍に攻撃をしかける話で、レッドメタル作戦は…

「武田三代」新田次郎著

信虎、信玄、勝頼の武田三代に関する短編集。 信虎の最期はマジカヨって感じ。武田家って、家臣が詰腹切らされるの多くない? 前に読んだ武田勝頼では穴山信君は悪役だったけど、ここではそんなに悪くなさそう。

「合衆国崩壊」1,2 トム・クランシー著

ジャック・ライアンものの全4巻のうちの前半1,2巻。 前作日米開戦の最後、ジャック・ライアンの副大統領就任式で、日本人パイロットによるジャンボジェット神風アタックで、国会がほぼ全滅。大統領、主要閣僚、国会議員がほとんど死亡という大惨事に。ライア…

「三体III 死神永生」上下 劉 慈欣著

三体シリーズ最終巻。前作できれいに終わったかと思ったら、人類の命運はこれからだった。 主人公の程心は主体的なキャラじゃなくて、歴史のターニングをめぐる狂言回し的な役割かな。 前作の黒暗森林理論はかなり関心したけど、今作はさらに発展させて作者…

「城郭考古学の冒険」千田 嘉博著

千田先生はテレビに出まくってるから、研究してるのかなあと思ってたけど、織豊系城郭の第一人者としての自負に溢れた本書を読んで、結構すごいんだなと見返した。 主に信長、秀吉、家康に関連する城の紹介が多く、過去の資料や現地調査から、過去の城址のあ…

「現代ロシアの軍事戦略」小泉 悠著

ソ連崩壊後のロシアは、経済力も技術力も先細りなのに、クリミア併合に成功するなど軍事的に大きな地位をしめているのはなぜか。ハイブリッド戦争とは何か、という内容。 ネットによるハッキング、世論誘導、ドローン技術等、ハイブリッド的な非軍事手段に力…