読了

「神聖ローマ帝国」菊池良生著

講談社現代新書。 神聖ローマ帝国の通史。全体を通しての歴史はよくわからなかったので参考になった。 神聖ローマ帝国は東京ドイツ村とかカップ焼きそばみたいな、名前が全然実態と合ってないという鉄板ネタがある。 カール大帝がフランス・ドイツ・イタリア…

「海の祭礼」吉村昭著

ペリー来航前、白人とアメリカ先住民のハーフの青年マクドナルドはアメリカ社会に失望して憧れの日本に向かう。捕鯨船に乗って、偽装漂流で利尻島に上陸。長崎に送られ、迎えの船が来るまで監禁状態に。その間に英語の重要性を痛感していた通詞森山栄之助は…

「関ヶ原大乱、本当の勝者」

朝日新書。各大名の動向を一次資料から検討した内容。一章ごとに筆者が違う。 東北の上杉最上の戦いが面白い。最上の奮戦で直江は目標を達成できず。伊達は100万石のお墨付きを貰っていたが、これは切り取り次第という意味で、一応占領地は貰えている。 前田…

「イネという不思議な植物」稲垣栄洋著

前半がイネの生物学的特徴で、後半が日本におけるイネの歴史的役割。 イネ科植物はそのへんの雑草かと思っていたら、実はかなり特殊な進化を遂げているとあってびっくり。乾燥地帯で生きるために成長点を下の方において、上部を食べられても成長可能。ケイ素…

「子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗りこえるための発達心理学」渡辺弥生著

光文社新書。 子どもが10歳くらいで直面する壁の話。 感情が複雑化し、友人関係も複雑化し、悩むことが増える。 飛躍の時と言い換えることもでき、周囲の大人が適切にサポートすることで成長に繋げられる。

「藤原氏―権力中枢の一族」倉本一宏著

藤原氏の成立からの歴史。 中臣鎌足が藤原姓を受けて成立し、不比等が持統天皇と統治システムを作り上げるところまではがんばって読んだ。4兄弟以降は同じことの繰り返しみたいな感じで、飛ばし読み・・・いかに天皇の外戚になって実験握るかという権力闘争…

「寄生虫館物語」亀谷了著

目黒の寄生虫館初代館長による寄生虫よもやま話。 いろいろな寄生虫の話があって勉強になった。サナダムシは節ごとに精巣と卵巣があって、他の節から受精するとあったが、自家受精ではないのだろうか? オスメスが寄り添ってずっと一緒の種も結構いるのね。 …

「アメリカ彦蔵」吉村昭著

13歳の彦蔵が船乗りとして初航海で漂流し、アメリカ船に救助され渡米して・・・ という吉村昭先生の漂流ものの一つ。 彦蔵はジョン万次郎より10歳程度年下で、初めてアメリカ国籍取った日本人。三人の大統領に会ったという。 彦蔵以外にもたくさんの漂流者の…

「犬の伊勢参り」仁科邦男著

江戸時代、60年ごとの遷宮に対応して、大規模なお伊勢参りブームがあり、人だけではなく犬も伊勢参りをしていたという記録。 決してオカルト的な話ではなく、数々の記録から実際の犬のお参り例は存在し、当時の人には当たり前の事象だった。 作者の分析によ…

「三体2 黒暗森林 」上下 劉慈欣著

前作の最後で絶望的やんけ!ってなってからの続編。 三体星人が攻めてくるまでの400年間の準備とその結末。 黒暗森林というアイデアが核で、コズミックホラー的な感じがします。 急に銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーのセリフが出てきてワロタ。中国では流行…

「彦九郎山河」吉村昭著

幕末の尊王運動の魁、高山彦九郎の生涯。 みなもと太郎の風雲児たちの描写はちょっとギャグ風味で話を盛ってて、どこまで作り話かわからんところがある。作者の好き嫌いで人物の善玉悪玉はっきりしてるしね。 吉村昭だと、小説というより旅の宿泊記録かなっ…

「源頼政と木曽義仲 - 勝者になれなかった源氏」永井晋著

中公新書。題名の両者に関係するのは以仁王で、それに関係したから結果的に滅んでしまった。 後白河法皇は治天の君として即位させた高倉天皇の系統しか認めず、以仁王による反乱は皇位簒奪になるから絶対に認めない。源頼朝は皇位に関係ないから妥協の余地が…

「奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語」三崎律日著

トンデモ本を面白おかしく紹介するような雰囲気を出しつつ、実際は割と真面目に現代の価値観と過去の価値観について考えさせる内容。 ヴォイニッチ手稿はよく話題になるけどさっぱりわからないので、これまでの流れが整理されて勉強になった。 米ソの宇宙開…

「ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在」福島香織著

まとまった資料としては初めて触れる話題。現代でこんなことやっててなんで許されるのかと不思議でしょうがない。 中国共産党が邪悪な政体であることは認識せにゃならんわな。 リアリズム外交で政体に関わらずパワーバランスをという本もあったけど、こんな…

「女帝 小池百合子」石井妙子著

著者の主観的な評価とか、真偽不明なエピソードとかが多いので、そのへんはなんとも言えない。 ただ、政治家としての遍歴を追って見ると、定見もなく、その場の勢いでのし上がってきたのがよくわかった。 一時期希望の党がすごい勢いで、これで自民党に勝っ…

「入門 東南アジア近現代史」岩崎育夫著

講談社現代新書。 案外知らない東南アジア諸国の歴史。 東南アジアとひとくくりに言っても、多様性に富んだ世界。民族、宗教、言語、政治体制等々一様ではなく、一つの国家の中も多様性。 政治体制の歩みは、土着国家、植民地、独立、開発独裁、民主国家とい…

「歴史に残る外交三賢人-ビスマルク、タレーラン、ドゴール」伊藤貫著

リアリズム外交とはなにか。バランス・オブ・パワー勢力均衡の維持。 外交に普遍的正義や好き嫌いの情緒は不要。 国際政治の行動主体は国民国家であり、国際機関や同盟関係ではない。 こういうことがずばっと書かれた本は貴重ですね。昨今のポピュリズム政治…

「米中もし戦わば」ピーター ナヴァロ著

米中間のいろんな問題に選択問題で回答を考えさせる内容。 たいてい一番悲観的な答えが正答だったりする。。。 中国の戦闘能力が予想以上に高く、アメリカとの差はかなり縮まっているという解説には焦りを感じる。 兵頭二十八の本に、中国は機雷封鎖でなんと…

「海の地政学-覇権をめぐる400年史」竹田いさみ著

中公新書。 大英帝国による植民地帝国、スエズ運河の確保による海洋覇権。 アメリカの捕鯨のための太平洋進出から、パナマ運河開発による海洋覇権。 第二次大戦後の海洋ルールの策定。 近年の中国による海洋ルールへの挑戦。 日本の海上保安庁の役割。

「コロナクライシス」滝田洋一著

WBSキャスターによるコロナウィルスの時系列の整理。 一つ一つの事例は聞いたことがあるものだが、時系列に並べると、中国とWHOに隠蔽工作があることがわかる。 現在の日本は緊急事態宣言を解除し、一旦は平常を取り戻しつつある。ただ次の波が来るのは時間…

「シュメル―人類最古の文明」小林登志子著

中公新書。 現在のイラク南部、ペルシャ湾付近チグリス・ユーフラテス川の間の最古の都市文明。 沖積平野で、石や木がないので泥で家や文字版を作る。 粘土板は紙と違って、火事にあうとむしろ固くなるので、残りやすいそうな。 洪水伝説の発祥。 都市文明で…

「物語 ナイジェリアの歴史-「アフリカの巨人」の実像」島田周平著

アフリカの知識皆無で、ナイジェリアの位置すらわからないので勉強。 ナイジェリアは面積は日本の2.5倍、人口は1億9千万人でアフリカ最大人口。 サハラ南のアフリカ中央部で経済的にはアフリカ一位の大国。 古くはサハラを通じた交易を行い、大航海時代では…

「戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略」平川新著

中公新書。 秀吉はなぜ朝鮮出兵したか、家康はなぜ鎖国したか、政宗はなぜ独自外交できたかというお話。 スペイン、ポルトガルの世界征服があったから、秀吉は対抗心で海外進出しようとした。結局失敗したけれども、スペインは日本の軍事強国ぶりに、武力に…

「ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学」本川達雄著

中公新書。 刺胞動物のサンゴ、節足動物昆虫、軟体動物貝、棘皮動物、脊索動物ホヤ等の体の構造の解説。 前にユクスキュルの環世界の本を読んで、生物の知覚によって違う世界を生きているというお話に感銘を受けまして、今回はそれの具体例的なお話でした。 …

「呉漢」上下 宮城谷昌光著

後漢光武帝配下雲台二十八将の二位大司馬呉漢のお話。 やる夫光武帝読んでたので、光武帝関連キャラはAAで覚えてる。 呉漢は海馬社長で武力で勢いで押し切るキャラだったような。幽州騎馬軍団の元締めだったようなイメージ。 この本読んだら南陽の貧農出身で…

「承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱」坂井孝一著

中公新書。 後鳥羽上皇による承久の乱の目的は倒幕じゃなくて、北条義時排除が目的だったというお話。 元々後鳥羽上皇と最大将軍実朝の時点で、朝廷と幕府は融和路線だったものを、実朝の暗殺で路線が狂ってしまい、後鳥羽上皇による義時追討の命令が出され…

「アカマイ―知られざるインターネットの巨人」小川晃通著

一般的な知名度はないけど、インターネットの大企業アカマイのお話。 アカマイの業務内容を通じて、インターネットの仕組みの勉強になった。 創業者が911事件でハイジャックされた飛行機に乗っていて犠牲になったという話はびっくり。

「プランク・ダイヴ」グレッグ・イーガン著

ハードSF短編集。 表題作品はブラックホールに突入する時に見える風景を描写してくれるけど、さっぱりイメージできない(^_^;) ワンの絨毯という作品が一番おもしろかった。地球外生物の話なんだけど、演算機能に特化した生命体でバーチャル空間とかよく考え…

「関東戦国史 北条VS上杉55年戦争の真実」黒田基樹著

関東戦国時代のお話。 前半は後北条氏が勃興して、関東管領山内上杉氏との対決。 後半は後北条氏が山内上杉氏を圧倒した後、長尾景虎が関東管領を継いで関東管領になり、上杉謙信となって後北条氏との抗争が語られる。 国衆レベルの細かい攻防が綴られるので…

「サイゴンから来た妻と娘」近藤紘一著

戦火と混迷の日々の後日談的な内容。サイゴン陥落前後はわりと内容が被ってる。 ベトナム人の妻と娘と東京に住むことになり、家庭内では少数民族な日常。 妻がなかなか強力なキャラで、ウサギを飼って締めて食べたり、娘をスパルタ教育したりで印象深いシー…