読了

「「横浜」をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯」高木 彬光著

横浜を埋め立てた実業家で高島町の地名と元となった高島嘉右衛門のお話。 江戸時代後期から幕末、明治、日清日露と歴史の裏側で関わっていて面白いお話。 商売に成功して大儲けしても、新しいことを開拓しようとしてすぐ大損しちゃうジェットコースターみた…

「スターリン - 「非道の独裁者」の実像」横手 慎二著

中公新書。 スターリンのこと全然知らないので読んでみました。 国民がどれだけ死んでも国家の勝利のために豪腕振るうってイメージで、読んだ後もそんなにかわらないような。 他のライバルに勝てたのは、共産党による政権奪取後の組織運営の中心になったから…

「富士山頂」新田次郎著

昭和38年、気象庁による富士山レーダー建設のお話。 主人公であるレーダー建設のリーダーの気象庁職員は新田本人か。 前半は予算獲得から、業者の選定。工事の規模から分割発注と思われていたのを、単独発注で強行し、色々政治的な対立が発生する。 後半は実…

「遺伝人類学入門」太田 博樹著

副題にチンギスハンのDNAと書いてあるが、実際のところチンギスハンの話は主題じゃない。 内容的には面白い読み物というより、理論面の紹介。かなり勉強になるが、お話としては交雑する人類とかのほうが面白いかも。 Y遺伝子の中で割合のかなり高い一群があ…

「江戸城の宮廷政治」山本 博文著

江戸時代はじめのまだシステムが確立していなかった時期、大量に残る細川忠興と忠利父子の往復書簡から、どのように考えて行動してたか紹介。 まだシステムが確立していないから、個人通しの関係性が強く、大名個人と将軍や幕閣との関係による外交が重要。 …

「剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む」髙橋 大輔著

剱岳山頂に錫杖と剣を置いたのはだれか、山上や文献調査から推理。 剱岳山頂に三回以上も登ってかなりの力作。 著者の推理がどこまで妥当かはなんとも言えないが、行動力に感心した。

「劒岳 ―点の記」新田次郎著

新田次郎の古典的名作。文章読ませるね! 明治の測量官による劒岳への初登頂を目指すお話。 地図を作るという行為はあまり考えたことなかったけど、大変ですな。 山城はよく行くけど、高山は登ったことないので、風景はよくわからない。映画版を見るべきか。

「資産形成のための金融・投資論: 黄金の波に乗る知の技法」竹中正治著

竹中正治先生の2013年の本の改訂版。最近のコロナの話とかも触れられています。 竹中先生のブログ読んでれば言ってた内容なので、新規の話ではないのですが、投資するには必要な知識です。 FXをリスクヘッジに使う、好景気の低金利時に米国債買うというのは…

「真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実」平山 優著

一次資料を元に、真田信繁の実像に迫ったという内容。 前半生は資料があんまりないのですぐ終わって、メインは大阪城の戦い。 真田の戦いというより大阪城全般が書かれていて中々面白い。 関が原をはるかに超える大規模戦闘で、両軍とも素人ばかりで、無理攻…

「京都を壊した天皇、護った武士: 「一二〇〇年の都」の謎を解く」桃崎 有一郎著

京都の御所の歴史。 大内裏は大きすぎて実用的でなく、早々に廃棄されて内野という荒地に。室町時代の京都における合戦地として利用される羽目に。 仮の内裏のはずの里内裏が定常化。燃えるたびに内裏は点々としまくって、幕府が予算を用意して復旧してもす…

「やってはいけない老後対策: 定年後貧困にならないための処方箋」大村 大次郎著

本で読んだらすぐノーベル化学賞とかタイムリー。 「CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見」ジェニファー・ダウドナ著 - shpolskyのブログ 表題は定年後の合理的な税制行動の解説。無理をせず副収入を得るのが大切。 定年はまだ先のように思える…

「「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都」桃崎 有一郎著

京都と平安京は違う、京都を造ったのは武士だよというお話。 平安京の範囲は鴨川より西が左京で、さらに朱雀大路より西が右京。 右京は水はけが悪かったのでほとんど開発されなかった。 鴨川の東や一条より北に拡張する方向に。 平安京内は東寺西寺を除いて…

「知らないと損する給与明細」大村 大次郎著

税金システムの勉強。 確定拠出年金はがんばってやってるけどそれ以外はほぼノータッチ。税金めっちゃ高いからなんとかしたい。 とりあえず扶養は見直して、ふるさと納税チェックする。

「CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見」ジェニファー・ダウドナ著

2017年に出版された最新の遺伝子編集技術のお話。 細菌のウィルス防衛機構を利用した遺伝子編集技術。細菌のDNAの中に、ウィルスのDNAの一部と同じ構造があり、その構造をターゲットとして切断するという防衛機構がある。構造部分を編集することで意図する部…

「第一次世界大戦と日本」井上 寿一著

第一次世界大戦が日本にどのような影響をもたらしたか。 日本が第一次世界大戦で参加した戦争は、青島等のドイツ植民地への侵攻、地中海への護衛艦隊派遣、そしてロシア革命に対抗してのシベリア出兵。 戦中の好景気から戦後の不景気で、国家予算への軍事予…

「武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世」桃崎 有一郎著

武士がどのように発生したか。著者の説であって確定しているわけではないが結構面白い。 武士は弓馬の使い手であり、特殊技能の持ち主である。地方の農民が習得できるものではない。子どもの頃から修練に打ち込むことができる有閑階級である。 貴族出身の国…

「落日の宴―勘定奉行川路聖謨」吉村昭著

幕末にロシアから来航したプチャーチンと交渉し、日露和親条約を結んだ川路聖謨。 長崎に来たプチャーチンと一度交渉後、今度は下田で交渉。昔の人の移動力はすごい。 下田で交渉中に大地震が発生し、津波でロシア船が損壊し沈没。ロシア人を帰すために戸田…

「室町の覇者 足利義満」桃崎 有一郎著

義満が南北朝時代をいかに収集させたか。著者の話はかなり独特で、どこまで本当かわからないけど実に面白かった。 そもそも足利幕府がなぜ脆弱だったかと言うと、成り立ちに問題がある。 実質的に幕府を成立させたのは尊氏の弟直義で、尊氏は能動的に動かず…

「足利尊氏」森 茂暁著

角川選書。一次資料で尊氏の人物を描き出そうとした労作。 後醍醐天皇や直義には敵意を持っていないし、楠木正成を悪く言った文書もない。 新田義貞や直冬は敵視。 全体的に素人には難しい・・・

「呉越春秋 湖底の城 第九巻」宮城谷昌光著

前の八巻からだいぶ開きましたが、ついに最終巻。 もう脇役の名前全然覚えてない・・・誰が誰やら。 呉越の戦いもこれで決着か、と思ったら案外年数経ってから決着なのね。 狡兎死して走狗烹らると言う言葉の元ネタなんだけど、越王句践はそんなに陰険な描写…

「納豆の快楽」小泉 武夫著

東京農大教授小泉先生の納豆ラブ本。 納豆菌はかなり強いので、納豆が他の菌で腐ることはない。ただ納豆菌による発酵は進むので、匂いはきつくなる。納豆の賞味期限は風味が変わらない期間ということで、時間が立っても食べられる。 納豆には消化酵素が含ま…

「戦国大名・伊勢宗瑞」黒田 基樹著

伊勢宗瑞=北条早雲について、最新研究をまとめた内容。 政府の役人だった伊勢新九郎が、今川に嫁に行った姉の求めに応じて駿河にお家騒動を治めに行く。というような話は聞いていたけど、詳細は知らなかったので非常に勉強になった。韮山を貰った後も今川の…

「本能寺前夜 西国をめぐる攻防」光成 準治著

本能寺の変の話は無しで、それ以前の中国、四国、九州の攻防を毛利氏ベースに記述した内容。 前半は毛利氏勃興からの、北九州をめぐる大友氏との戦い。 後半は織田軍の進出で毛利がどんどん追い込まれていく展開。 大友氏はよく知らんかったけど、毛利対大友…

「沖縄文化論―忘れられた日本」岡本 太郎著

岡本太郎が沖縄にハマって、文化論というか自論を述べた内容。 まだ本土復帰前で、現在の風景からはかなり遠くなってしまった。 私も行った久高島のイザイホーに参加した話も載っているが、今じゃイザイホーは参加者がいなくてずっと開催されてない。 八重山…

「台湾物語: 「麗しの島」の過去・現在・未来」新井 一二三著

台湾の歴史、地理。日本、外省人、内省人、言語、地名、歴史的建物、映画等々。 日本植民世代、国民党の支配、台湾人としての自覚。世代によって帰属意識や言語が異なるという複雑な社会。 台湾について知ってるようで全然知らず、非常に勉強になり、旅行に…

「北方領土秘録 外交という名の戦場」数多久遠著

日露首脳会談の裏側の情報戦を描いた小説。 北方領土返還交渉を軸として、トランプ大統領誕生やウクライナ問題を絡めて、実際にあったんじゃないかと思うような情報戦が面白い。

古代史講義【戦乱篇】

古代の戦乱を専門家が1ケースづつ取り上げて解説する内容。 以前読んだ藤原氏の解説で触れられた話が多かった。やっぱ藤原氏は日本の歴史にだいたい絡んでいるのな。 shpolsky.hatenablog.com 前半の磐井の乱から壬申の乱あたりは大陸情勢とかなり絡んでいる…

「深海のパイロット」

光文社新書。しんかい2000,6500のお話。 パイロットになる方法とか、設備や運転の話。 どこに行ったとか、どんな危険な状況になったとか。 深海のいろんな情景が出てきて面白い。 有人探査はこれから縮小傾向にあるそう。

「京都 格別な寺」宮元 健次著

京都の有名所の寺社について結構ディープな話で紹介。 私は京都の有名所はほとんど回ったつもりだったけど、結構知らない話が多くて勉強になった。 秀吉が自らを神格化するために用意した寺社群を、徳川がほとんど破壊したという話が強烈。阿弥陀ヶ峰の豊国…

「生き物の死にざま」稲垣 栄洋著

いろいろな生き物の死ぬ間際の状況。 たいていの生き物は子孫を産んだら死ぬのね。 シロアリの女王は絶対権力者ではなく単に産む機械であって、年をとって能力が落ちたら働きアリに見捨てられるというのは驚き。