読了

「「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家」大西 泰正著

資料分析から宇喜多秀家について述べた新書。 宇喜多氏の権力基盤は豊臣秀吉の引き立てによって成り立つ。 本能寺の変直後の秀吉傘下唯一の国持大名ということで、秀家自身は子供だったものの、政権上位に位置づけられる。 秀吉が幼少期から養育していた前田…

「風よ雲よ」上下 陳舜臣著

明末、江戸時代初頭。大坂の陣の生き残りの安福虎之助が主人公で、彼が狂言回しとなって話が進みます。 前半は鄭成功の父の鄭芝龍が一介の青年から、海賊の頭目にのし上がるお話。虎之助は豊臣家のご落胤とされる少年を守りつつ、鄭芝龍の一味の一員として東…

トム・クランシーの原潜解剖

1996年の原子力潜水艦の解説本。 潜水艦の軍事利用の歴史から、第二次世界大戦後の原子力潜水艦の開発に至り、 いかに潜水艦は強力な兵器になったか解説されます。 潜水艦の建造、チーム員の訓練、各種作戦内容等々。 内容的にはもう古くて、新型に変わり、…

「日本人が誤解している東南アジア近現代史」川島 博之著

題名は歴史がメインぽいけど、実際は東南アジアに関する総合的な内容。 主に人口動態から各国の経済状況の解説。各国のこれまでの歴史と、民族や宗教。華僑の動向。第二次世界大戦に関わる日本への感情。等々。 ミャンマーの人口の半分は少数民族で統治が難…

「戦国海商伝」上下 陳舜臣著

戦国時代初期、7歳の頃明に渡った佐太郎。彼は自分の出自を知らなかったが、実は毛利元就の落し胤だった。佐太郎は成長しつつ、貿易、明や日本の情勢、倭寇のことなどを学んでいく。 話のほとんどは多国籍武装商人である倭寇と明との戦いです。この時代の倭…

「奇妙な菌類 ミクロ世界の生存戦略」白水 貴著

菌類がなんでもありでいかに様々な能力を持っているか紹介。 菌類が木材を分解する能力を獲得してから、石炭はできなくなったそうな。 微小生物を捕食する菌がいるとか、菌は植物より動物に近い。 高さ8mの幹を持つ菌の化石があるとか、どんな世界だよ。

「インド三国志」陳舜臣著

17世紀のインド。この場合の三国は、イスラム教のムガール帝国、シヴァージー率いるヒンドゥー勢力、東インド会社。 ムガール帝国は中央アジアの遊牧民による征服王朝で、当初は宗教に融和的だったものの、宗教キチのアウラングゼーブが皇帝になってイスラム…

「実在とは何か ――量子力学に残された究極の問い」アダム・ベッカー著

黎明期の量子力学の話から、コペンハーゲン解釈をめぐるボーア・アインシュタイン論争、ボームやベルらコペンハーゲン解釈に疑問を持つ物理学者の話。 内容的には先日読んだカルロ・ロヴェッリの本と近いが、カルロは自分の解釈が正しいという話で、こちらは…

「世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論」カルロ・ロヴェッリ

カルロ先生の三作目。 「すごい物理学講義」カルロ ロヴェッリ著 - shpolskyのブログ 「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ著 - shpolskyのブログ 量子力学黎明期の物理学者のお話。そこから始まる量子力学の観測者問題。 観測者問題の解釈として、コペン…

「北天の星」吉村昭著

上下巻。吉村先生が数書いている漂流物の一種ですが、船が難破したのではなくロシアに拉致されたという変わり種。 文化露寇というロシアの襲撃で択捉島にいた五郎次は連行されてオホーツクへ。日露の関係は険悪になって五郎次はなかなか帰国するチャンスがな…

「13億人のトイレ 下から見た経済大国インド」佐藤 大介著

人口13億人のインドで、トイレのない生活をしている人は5億人以上いるという衝撃の内容。 トイレを維持する経済的余裕がない人が多いとか、上下水道の整備が進んでいないとか、必要を感じていないとか、トイレ普及への道のりは遠い。 政府がトイレ普及のため…

「羽柴を名乗った人々」黒田 基樹著

政権の強化のために、「羽柴」が一門衆から、有力大名へ広がっていく詳細。 有力大名はほぼ全部羽柴を名乗ることになる。 大坂の陣で羽柴本家が滅びたら、羽柴を名乗る家はなくなる。羽柴分家筋は木下になる。

「そしてドイツは理想を見失った」川口マーン惠美著

ドイツに対して批判的な論評を良く書く著者による最近のドイツの話。 川口ロマーンさんとずっと勘違いしてた・・・ ドイツと中国の関係性、エネルギー状況、政治情勢等。 メルケルの評伝を読んだことがありますが、あの人の政治思想はいまいち見えないところ…

「憲法で読むアメリカ史」阿川 尚之著

アメリカ合衆国憲法は1787年成立。1889年公布の大日本帝国憲法より100年も前。アメリカに歴史がないなんてことはないわけだ。 社会の移り変わりによってどのように憲法解釈を変え、憲法を変えてきたか事例ごとに紹介した内容。 ホームズ判事の話が印象的。法…

ウィッチャーV 湖の貴婦人

ウィッチャー小説版最終巻。 時空を超えた放浪を続けるシリと、ゲラルトと愉快な仲間たちがついに同じ空間に集まり、宿敵と最終決戦します。 そして明かされる皇帝エムヒルの正体・・・ってゲーム版だと最初からわかってる話だし、むしろ小説の途中で皇帝は…

「ウィッチャーIII,IV」アンドレイ・サプコフスキ著

小説ウィッチャーの3巻と4巻を読みました。 前回ポータルで消えてしまったシリ。3,4巻では一人になったシリの苦難と、シリを追うゲラルトと愉快な仲間たちの話になります。 シリの苦難がハードコア過ぎて、ちょっと映像化できないんじゃないかと思う・・・最…

「ウィッチャーI,II」アンドレイ・サプコフスキ著

小説版ウィッチャーの1,2巻読みました。ゲームのウィッチャー3はクリア済み。主要キャラはイメージできる。 小説はゲームよりかなり前の話で、シントラ王国が陥落して、王女シリは脱出してウィッチャーのゲラルトとともにウィッチャーの里に身を寄せる。 シ…

「ラストエンペラー習近平」エドワード・ルトワック著

今年出たルトワック先生の最新作。 最近の情勢に合わせて内容をアップデート。と言いつつ、言ってることは前作までとだいたい同じ。 現代戦はドローンや潜水艦が最強というのはどうなのかな。よくわからんね。

藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩

多磨霊園、番町、皇居周辺、鎌倉、諏訪でぶらぶら歴史散歩。 一度は周辺に行ったことあるとこばかりだけど、実はこんな歴史的なとこがたくさんあるとは知らなかった。東京はもうあんま行くとこないなあと思ってたらそんなことはなかった。 この本を参考に色…

「劉邦」上中下 宮城谷昌光著

漢の創始者劉邦のお話。 宮城谷昌光先生のことだから劉邦の祖父の代から始めるかと思ったら、普通に中年劉邦から始まったのでホッと安心。 この劉邦は、人使いがうまくて、異様に感が冴えてる優秀なキャラ。一代で皇帝に成り上がるから無能なわけはない。 基…

「県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実」藪 正孝著

北九州で工藤会と戦ってきた刑事による工藤会との戦いの記録。後半は暴力団への対処法。 初期の頃は頂上作戦で幹部を逮捕していたが、それでは暴力団の勢力を削ぐことは難しい。社会から暴力団を排除するために、警察対暴力団ではなく、市民対暴力団に持って…

「芙蓉の人」新田次郎著

明治時代に富士山山頂に気象観測所を建て越冬に挑戦する野中到と、行動をともにする妻千代子の話。 夫に断られるのがわかっているのに綿密に準備して富士山頂までお仕掛けてしまう妻の行動力がすごい。 冬季の富士山頂の描写は限界を超えていて、厳冬のなか2…

「“トウモロコシ”から読む世界経済」江藤 隆司著

穀物市場が世界経済にどのように関わっているか。 著者は商社に勤務し、アメリカのトウモロコシバンカーに関わった経験を記している。 先物相場をやったことはあるけど、商品がどのように売買されて流通して値段が決まるか、実際の現場を見るととても勉強に…

「歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド」大矢 博子著

私は読む時代小説は著者が決まってしまっていて、同じ人の本ばかり読んでる。 最近の人とか全然読まないので、たくさん紹介してもらえてとても参考になる。 三国志について著者ごとのカラーの違いが笑える。参考書的な吉川英治、ハードボイルドな北方謙三、…

「世界はありのままに見ることができない ―なぜ進化は私たちを真実から遠ざけたのか―」ドナルド・ホフマン著

生物は真実を知覚するために進化したのではなく、生き残るために進化した。 我々が見るものはデスクトップ上のアイコンと同様に、役には立つけど真の存在を表しているわけではない。 哲学者の「空の月は存在しない」とか、ユクスキュルの環世界につながる議…

「サラ金の歴史-消費者金融と日本社会」小島 庸平著

中公新書。サラ金の歴史を過度に批判的にならずに客観的に書かれていてとてもおもしろい。 サラ金誕生以前は無担保の借金は基本的に親戚知人の間だけ。 サラリーマンという職業が出てくると、定期収入を見込んで金を貸す人が出てくる。 団地が出てくると、初…

「日本人の歴史観 黒船来航から集団的自衛権まで」

今は亡き岡崎久彦先生、坂本多加雄先生と北岡伸一氏の三名による歴史鼎談。 保守による歴史語りと言ったところ。 岡崎先生の本はだいたい読んでいるので、ある程度はわかっているつもりだったが、人物評価(田中義一上げ、広田弘毅下げ)なんかは結構意外。

「連星からみた宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで」鳴沢 真也著

実は恒星の半分は連星で、連星なくして天文学の発展はなかったというお話。 連星というと三体ですが、そんな世界はありふれていたんですなあ。 恒星の光度変化などを計測することで、連星の公転周期がわかり、色とか周期とか色々調べることで、連星の数とか…

「裏切りの塔」G・K・チェスタトン著

チェスタトンの短編集。チェスタトンは相変わらず固定観念を破壊してくれる。 怪奇譚かと思ったら殺人事件になって、最後は違う方向に着地する「高慢の樹」 最後の最後でどんな手口だよと驚かされる「裏切りの塔」 等々、アイデアの宝庫です。

「南北戦争-アメリカを二つに裂いた内戦」小川 寛大著

知識があまりない日本人向けに書かれた南北戦争の入門書。 リンカーン、グラント、リーあたりは名前を知っていても具体的にどういう人が前知識なかったり、映画「グローリー」「リンカーン」見たけど背景がよくわからなかったので、この本は非常に勉強になっ…