読了

「すべてのマンションは廃墟になる」榊淳司著

老巧化したマンションの問題点について。 老巧マンションの建て替えはほとんど例がない。費用がかかるし、何より区分所有者の意思統一を図るのが困難。 悪質な理事がいた場合に、修繕費用の不正を防ぐのが難しい。 タワマンは廃墟化しやすい。 年食ったら賃…

「フランツ・ヨーゼフ」江村 洋著

オーストリア帝国の事実上の最後の皇帝フランツ・ヨーゼフの伝記。 同時代のビスマルクやナポレオン三世の話は読んでまして、その脇役として出てくる人でたいてい負け役。 ドイツやロシアに挟まれて、国民国家の潮流の中で、ボロボロになっていく多民族国家…

「バブルの歴史」エドワード チャンセラー著

チューリップバブル、南海バブル、鉄道狂時代、暗黒の金曜日、日本のバブル崩壊等々、昔から狂気を繰り返していたんですね。 1820年代に、南米の架空の国ポヤリスをでっちあげて、国債とか土地を売りまくった詐欺師の話が面白かった。 日本のバブルも詳細も…

「夜明けの雷鳴―医師高松凌雲」吉村昭著

幕末から明治の医師高松凌雲のお話。 福岡出身の主人公は、江戸に出て医者になり、一橋家の奥医師となる。 徳川昭武の洋行に従ってヨーロッパに行き、フランスで医学留学。無料の貧民病院の存在に感銘を受ける。 明治維新で徳川幕府が無くなったので帰国。榎…

「大清帝国への道」石橋 崇雄著

清の勃興時から最盛期までの6代の皇帝の時代。 清がどのように拡張し、政治体制を整備したかよく分かる。 初代ヌルハチ。最初は一部族長に過ぎなくて、満州のハーンといえども他の部族長と差がなかった。部族から八旗体制を整備したけど、独立性が強かった。…

「世界史を変えたパンデミック」小長谷 正明著

コロナで時間ができた著者が感染症について書いた新書。 感染症で人間が塵芥のごとく死んでいくのは慄然とする。 ローマはチフスが蔓延していたので、外国の征服が長続きせず、イタリア人の教皇が多かった。 スペイン王家にはあまり良いイメージがなかったの…

「日本史ひと模様」本郷和人著

日経新聞連載コラムの内容をまとめたもの。 内容はいろんな時代のエピソードを紹介し、著者の意見をつけたもの。 前田利常の母とか高橋是清とかの話が面白かった。

「タコの知性 その感覚と思考」池田 譲著

研究者によるタコの色んな情報。 タコとイカの違いって足の数だけかと思っていたら、色々違いがある。絶対数や種類の数とか、イカは群れるけどタコは個人主義とか。 タコにも社会性があるかもというお話。 目はかなり大きく高機能だけど、色はわからない。 …

「神津恭介、密室に挑む」高木 彬光著

密室殺人の短編集。全6話。 ほぼ痴情のもつれ。神津恭介はたいてい殺人を見逃すので、そんなに優秀ではない気が・・・ 冒頭の白雪姫の冬の青森の雰囲気が好き。

「投資で一番大切な20の教え」ハワード・マークス著

ハワード・マークス先生の投資本。後に出た市場サイクルを極めるを先に読んでまして、同じようなことを言ってるかな。 こっちのほうが全般的なディフェンシブ投資の心構えの話で、市場サイクルはサイクルにいかに乗るかというお話。 学生の頃は日本学を学ん…

「オスマン帝国 英傑列伝」小笠原 弘幸著

オスマン帝国から代表して10名の列伝。 過去に興亡の世界史オスマン帝国とか、トルコのもう一つの顔とか、トルコ関連書籍を読んでいたので、あらましはわかっていた。 オスマン帝国と現代のトルコはつながっているようで、つながってないのね。トルコはトル…

「日本中世史の核心 頼朝、尊氏、そして信長へ」本郷 和人著

中世におけるキーパーソン数人について、何を考えてどう行動したか。 著者のスタンスとして、法然上人や浄土宗の北条重時を上げたということで、民衆のことを考えていたかという点が重要としています。 源頼朝が田舎武士の娘の政子をなぜ最後まで正妻とした…

「鄧小平」矢吹 晋著

講談社学術文庫。鄧小平の生涯。 毛沢東とは真逆の、思想性なしの実務本位の人。 2003年に書かれた本なので、後継の江沢民あたりまで書かれている。 社会主義から資本主義に転換したのが鄧小平の功績で、現代の中国の経済成長は鄧小平のおかげ。 蠱毒そのも…

「夏姫春秋」宮城谷昌光著

春秋時代の絶世の美女、夏姫のお話。と言っても、夏姫自体はあまり主体でなくて、その周辺の男たちの盛衰のお話がメイン。 楚の荘王の時代で、荘王の挙動を中心に歴史が展開していく。このあたりの話は宮城谷先生の小説の題材になることが多くて、鄭宋普呉あ…

「僧正殺人事件」ヴァン・ダイン著

ヴァンス探偵シリーズ。マザーグースの見立て殺人。 結局全然解決できずに殺人事件起きまくりで、この探偵あんまり優秀じゃないのでは・・・

「ビーイング・ダルマ ―― 自由に生きるためのブッダの教え」アチャン・チャー著

アチャン・チャー師の法話をまとめた内容。 アチャン・チャー師の本は何冊か読みましたが、だいたい同じようなことを繰り返し説かれています。シンプルでひたすら実践しなさいと励まされるので、読むと修行をやるぞって気になります。本ばっかり読まずに修行…

「刺青殺人事件」高木 彬光著

高木先生の高島占いの話が面白かったので、古典推理小説を読んでみました。 名探偵神津京介は後ろの1/3くらいになってやって登場して颯爽と解決していった。。。 刺青トリックは自分の推理からは想定外で、よくひねったなあと感心。

「史上最大のボロ儲け」グレゴリー・ザッカーマン著

映画マネー・ショートの原作かなと思ったら、原作は「世紀の空売り」だった。 世紀の空売りの主人公はバーリで、こちらの主人公はポールソンなのね。こちらでもバーリは出てくるけどあんまり成功していないという描写。 サブプライムがバブルになっているこ…

「検証 長篠合戦」平山 優著

前著「長篠合戦と武田勝頼」で積み残した問題点に関する検証。 武田軍が遅れていたとか、勝頼が無能だったというよりは、畿内と地方の物流量の差ですよというお話。

「妻と娘の国へ行った特派員」近藤 紘一著

サイゴン陥落後、タイ赴任になってからの短編集。東南アジア各国のお話。 30年くらい前の日本が経済力をつけてきた頃の雰囲気が伺える。アジア各国の雰囲気もだいぶ変わっているんだろうな。

「禅の言葉とジブリ」細川晋輔著

「人生に信念はいらない」の細川師による、一般向けの禅語本。 ジプリにこだわらなくても、どんな話からでも禅語に結び付けられそう。やっぱ坊主は方便力が重要だな。 最後の横田南嶺師との対談が面白かった。オンライン坐禅会は実際にその場でやらないと意…

「ビット・プレイヤー」グレッグ イーガン著

ハードSF短編集。 表題作は作り込みが甘い世界で意識を持ってしまった人の話。 孤児惑星がトンデモ物理が出てきて面白かった。ワンの絨毯に比べると衝撃は少なかったけど。 チート視力を持ったけど、機械がカバーできちゃうので活かせない話はなかなかきつい…

「長篠合戦と武田勝頼」平山 優著

武田勝頼が信玄の跡を継ぐ経緯から、長篠合戦への流れ。 勝頼は諏訪家を継ぐ予定だったのが、長男晴信が死んだから武田を継ぐことになったわけで、イレギュラーな事態になったのが色々不都合を引き起こした。 ただ勝頼の居城は高遠城で、諏訪全体を継いでい…

「たたかう植物: 仁義なき生存戦略」稲垣 栄洋著

おだかやかに生きてるように見える植物は、実は激烈な生存競争をしているんだよというお話。 植物同士、細菌、昆虫、植物、人間と多くの敵といかにして戦って対抗戦略を取っているか。 イネ科は前にも読んだけど、生存戦略としてかなり最先端を行っている(…

「「横浜」をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯」高木 彬光著

横浜を埋め立てた実業家で高島町の地名と元となった高島嘉右衛門のお話。 江戸時代後期から幕末、明治、日清日露と歴史の裏側で関わっていて面白いお話。 商売に成功して大儲けしても、新しいことを開拓しようとしてすぐ大損しちゃうジェットコースターみた…

「スターリン - 「非道の独裁者」の実像」横手 慎二著

中公新書。 スターリンのこと全然知らないので読んでみました。 国民がどれだけ死んでも国家の勝利のために豪腕振るうってイメージで、読んだ後もそんなにかわらないような。 他のライバルに勝てたのは、共産党による政権奪取後の組織運営の中心になったから…

「富士山頂」新田次郎著

昭和38年、気象庁による富士山レーダー建設のお話。 主人公であるレーダー建設のリーダーの気象庁職員は新田本人か。 前半は予算獲得から、業者の選定。工事の規模から分割発注と思われていたのを、単独発注で強行し、色々政治的な対立が発生する。 後半は実…

「遺伝人類学入門」太田 博樹著

副題にチンギスハンのDNAと書いてあるが、実際のところチンギスハンの話は主題じゃない。 内容的には面白い読み物というより、理論面の紹介。かなり勉強になるが、お話としては交雑する人類とかのほうが面白いかも。 Y遺伝子の中で割合のかなり高い一群があ…

「江戸城の宮廷政治」山本 博文著

江戸時代はじめのまだシステムが確立していなかった時期、大量に残る細川忠興と忠利父子の往復書簡から、どのように考えて行動してたか紹介。 まだシステムが確立していないから、個人通しの関係性が強く、大名個人と将軍や幕閣との関係による外交が重要。 …

「剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む」髙橋 大輔著

剱岳山頂に錫杖と剣を置いたのはだれか、山上や文献調査から推理。 剱岳山頂に三回以上も登ってかなりの力作。 著者の推理がどこまで妥当かはなんとも言えないが、行動力に感心した。