読了

「ドラゴンランス 6 天空の金竜」マーガレット・ワイス,トレイシー・ヒックマン著

ついに最終巻。 タニスは2つの種族の間と二人の女性の間で苦労するシンボリックな存在なのね。 けっして悪が一方的に滅びる終わり方ではなくて、含みがいくつもあって以降のシリーズにつながるのね。 シリーズを通して、ローラナの成長が良かった。ただ、ゲ…

「ドラゴンランス 5 聖域の銀竜」マーガレット ワイス,トレイシー ヒックマン著

ローラナがやたら忙しい巻。総司令官から愛の人質に・・・ 年齢を重ねると、ローラなの苦悩がわかってくるね。 善の竜からドラゴン騎兵がかっこいい! シス卿の設定が重すぎて、ドラゴン卿が食われとる。 やっと登場人物が集まりかけたと思ったら、またわか…

「競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで」本村 凌二著

競馬初期の頃のエピソードはなかなか興味深い。 3歳馬限定戦を企画して、レースの命名の時、主催のダービー卿とバンベリー卿がコインを投げてどっちにするか決めたそうな。バンベリーになる可能性がかなりあったのね。それより前は8歳馬とかが長距離レースを…

「ドラゴンランス 4 尖塔の青竜」マーガレット ワイス,トレイシー ヒックマン著

ついにドラゴン卿キティアラ登場。 今回はパランサスの大司教の塔防衛戦。スタームとローラナ、タッスルホップが奮戦する。 タッスルはかなり美味しい役回り。こういうキャラがいると話を回しやすいんだろうな。 スタームとローラナは生死の狭間で宿命の時を…

「ブッダという男: 初期仏典を読み解く」清水 俊史著

ブッダが平和主義者、差別批判者、業や輪廻を否定したというような近年の言説があるが、これらは近代の価値観で神格化した見方であるという内容。 昔の人間が時代を超えて現代の価値観を持っているということはない。そりゃそうで、これから未来には今の価値…

「平治の乱の謎を解く 頼朝が暴いた「完全犯罪」」桃崎 有一郎著

著者の本は毎回新しい視点をもたらしてくれて、知的興奮を味わえるので良い。 今回は平治の乱の真犯人は誰かという論点で、文献の調査結果を元に迫る。 著者の出す証拠について、私は是非を論ずることはできないので、実際にそうなのかはよくわからない。 登…

「ドラゴンランス 3 氷壁の白竜」マーガレット ワイス,トレイシー ヒックマン著

だいぶ大所帯になってきたので、途中でパーティーが2つに分かれます。 エルフのお姫様であんまり冒険の役に立たないと思っていたローラナがこの巻ではパーティーのリーダーとして活躍するという成長を遂げます。リーダーのタニスのことをすごいなあと思って…

「流浪地球」劉 慈欣著

SF短編集。 私だったらこのアイデアは物理的におかしいから使えないなあと思うネタを、この作者は整合性を無視してぶん回すパワーがあるのが素晴らしいと思う。三体でも智子の設定はこれだけ技術力の次元おかしくねと思ったりしてた。面白ければ整合性なんて…

「乃木希典」大濱 徹也著

講談社学術文庫。乃木の伝記と思いきや、乃木の人生は本の前半でさらっと書いてて、後半は乃木が社会に与えた影響の記録。 乃木家の親戚が玉木家で、希典の弟正誼は玉木文之進の養子なんですな。 希典の父母は共に超スパルタで、希典は子供の頃に家出して玉…

「ドラゴンランス 2 城砦の赤竜」マーガレット ワイス,トレイシー ヒックマン著

2巻はとても名作でした。 タッスルホッフが大きなものは他の人にまかせて、小さなことをやろう、と言って眼の前の人を助けに行くシーンは本当に名シーン。指輪物語でガンダルフが命の重みについて語ったシーンに匹敵するような。 あとは老竜マータフルールが…

「徳川家康と武田勝頼」平山 優著

平山先生の本は結構読んでるんで、先行の本と内容結構かぶっているようで、新しい視点も何点か記載されている。 徳川と武田の抗争のうち、信玄の期間はあまりなくてほとんど勝頼との戦いだったこと。 信康事件については、築山殿の反乱工作は大岡弥四郎事件…

「ドラゴンランス 1 廃都の黒竜」マーガレット ワイス,トレイシー ヒックマン著

D&Dで関連シナリオが出るというので、古典の一巻を予習。 ハーフエルフのアーチャー(リーダー)、ドワーフ、ケンダー、筋力型戦士とその兄弟の魔法使い、騎士、バーバリアン、僧侶というパーティーなのね。 みんなそんなに仲良くなくってギスギスしてて、リ…

「11/22/63」スティーヴン キング著

スティーヴン キングのタイムリープもの。めちゃ長くてしんどかった。 過去に行ける穴を見つけた主人公が、ケネディ暗殺を回避しようと奮闘する。 実のところケネディ暗殺はメインテーマではなくて、ラブロマンスが主題だったりする(汗) というか主題は「…

「ミッドウェー戦記」上下 亀井 宏著

今日は高校の友人たちと日間賀島でふぐ。渥美方面から来る予定の一人は波が高くて船が欠航で欠席。残念なのでまた来年にでも再戦したい。 本の方は82年に連載されたもので、可能な限り存命の人物に取材した内容をまとめたもの。人によっては矛盾した内容もあ…

「鵼の碑」京極夏彦著

17年ぶりの百鬼夜行シリーズ新刊。 メインキャラ以外はだれだっけという感じ。 複数の並行ストーリーが最後に収縮して・・・という展開だけど、こんだけページ使ってこのオチとは、ある意味感心。

「暗殺者の回想」上下 マーク・グリーニー著

12年前のジェントリーが若い頃のエピソードと現在が交互に語られる構成。 12年前に殺したはずの悪人が再び出現する。 若い頃のジェントリーは結構イキってるのね。戦闘能力は高いけど、チーム戦は不得意。でもここでザックのチームに配属されてシックスにな…

「北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大」山内進著

バルト海沿岸北東ヨーロッパへの十字軍のお話。 十字軍はエルサレム奪回の件が有名であるが、イベリア半島、バルト海沿岸でも行われていた。エルサレムやイベリア半島は、元々キリスト教の土地を奪還するという名目だったが、バルト海沿岸は異教徒をキリスト…

「数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち」サイモン・シン著

アニメ「ザ・シンプソンズ」の制作には数学者が多数関わっていて、アニメを詳細に見ると数学ジョークがたくさん散りばめられているというお話。 シンプソンズはあまり見たことがないので、見たくなった。 3987^12+4365^12=4472^12 この数式には唸らされたな。

「磔」吉村昭著

歴史的事件の短編集。 秀吉によるキリスト教弾圧である二十六聖人の殉教事件。 長崎出島へのイギリス船の侵入、フェートン号事件。 明治初期のコレラへの誤解による医師襲撃事件。 天狗党の乱における大野藩の顛末。 プチャーチンと戸田村における洋船建造。…

「同志少女よ、敵を撃て」逢坂 冬馬著

独ソ戦における女性スナイパーのお話。 キャラクターの性格に若干違和感感じたかな。現代日本人が書いた性格って感じがした。ロシアやドイツ人がこの本読んだらどう感じるだろう。 独ソ戦のリアルが読みたかったら、戦争は女の顔をしていないとかノンフィク…

「幕府軍艦「回天」始末」吉村 昭著

戊辰戦争の終盤、幕府海軍の話。 当初は幕府海軍のほうが新政府海軍より強力だったものの、船の故障や新政府海軍の増強でパワーバランスが反転していく。 政府側に新鋭艦甲鉄が加わり、これをどうにかしないと敗北必至ということで、甲鉄を拿捕するための宮…

「三体X 観想之宙」宝樹著

三体のファンによる二次創作が公式化されたもの。 本編で出番が少なかったキャラを主人公に内容補完・・・というかスケールでかすぎ! 一番驚いたのは智子の正体が◯〇〇だったこと。 巻末に三体3部のあらすじがあるけど、最初に読む方が良い。

「三体0【ゼロ】 球状閃電」劉 慈欣著

三体の前日譚という触れ込みだけど、三体とストーリー的なつながりはほぼないです。 球電という現象をあそこまで膨らまして話をぶん回すのはさすが。 主人公は最初は一般人離れした設定なのに、途中から濃いキャラに食われて常識人枠になってるのはワロタ。

「完全版 不動産投資の嘘」大村 昌慶著

不動産投資の勉強二冊目。 先日読んだ↓はわりとポジティブな内容だけど、こちらはリスク面の指摘が多い。 「[最新版]まずはアパート一棟、買いなさい!」石原博光著 - shpolskyのブログ 出口戦略が一番重要という指摘には目からウロコ。いくら単年の利益率が…

「[最新版]まずはアパート一棟、買いなさい!」石原博光著

kindleでセールだったので購入。不動産投資がどういうものか全然知らなかったので非常に勉強になった。 銀行、不動産業者、仲介業者、リフォーム業者、売り主等々、コミュニケーション能力が重要。 どういう経費が必要になるかという点も参考になる。 不動産…

「脳の地図を書き換える: 神経科学の冒険」デイヴィッド・イーグルマン著

著者のライブワーヤードという説から脳の可塑性を述べている。 よく脳内の体マップという話は聞くが、著者によると生まれつき脳の場所と体の一部が対応しているというわけではなく、どの脳細胞でも対応することができるそうな。だから脳が損傷しても、脳の別…

中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平

シリーズものとして、時代的には現代ということで最終回。実際はもう一巻あるっぽい。中国共産党が大陸制覇した後のお話。 前半は毛沢東が大躍進や文化大革命を引き起こし、後半は鄧小平が政治の安定と経済成長を進める。最後は習近平の登場とコロナウィルス…

中国の歴史10 ラストエンペラーと近代中国 清末 中華民国

太平天国から西安事件まで。 太平天国は陳舜臣の本を読んで、流れを掴みました。命が塵芥のようで虚しい。 中華民国が成立して清朝が滅んでも混乱収まらず、抗日運動をキーとして国民党と共産党の駆け引きは進んでいく。このあたりの流れはあまり知らなかっ…

中国の歴史9 海と帝国 明清時代

前回は遊牧民の視点から遼から元が画かれましたが、今回は海の視点から明、清が画かれます。 江南の開発が進んだのは宋の時代で、この頃から南の生産力で北を食わせるという経済の流れが定まった。 元は江南の生産力で大都(北京)を支えるため大運河を建造…

「円仁 唐代中国への旅」エドウィン・ライシャワー著

ライシャワーによる入唐求法巡礼記の解説本。 九年半に渡る円仁の旅の記録を詳細に記載。 円仁が詳細な日記を残したことで、記録に残りにくい唐代の庶民の記録などが残されていて非常に意義のある内容だそう。 唐に強力な新羅人コミュニティが存在したことと…