読了

「源頼政と木曽義仲 - 勝者になれなかった源氏」永井晋著

中公新書。題名の両者に関係するのは以仁王で、それに関係したから結果的に滅んでしまった。 後白河法皇は治天の君として即位させた高倉天皇の系統しか認めず、以仁王による反乱は皇位簒奪になるから絶対に認めない。源頼朝は皇位に関係ないから妥協の余地が…

「奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語」三崎律日著

トンデモ本を面白おかしく紹介するような雰囲気を出しつつ、実際は割と真面目に現代の価値観と過去の価値観について考えさせる内容。 ヴォイニッチ手稿はよく話題になるけどさっぱりわからないので、これまでの流れが整理されて勉強になった。 米ソの宇宙開…

「ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在」福島香織著

まとまった資料としては初めて触れる話題。現代でこんなことやっててなんで許されるのかと不思議でしょうがない。 中国共産党が邪悪な政体であることは認識せにゃならんわな。 リアリズム外交で政体に関わらずパワーバランスをという本もあったけど、こんな…

「女帝 小池百合子」石井妙子著

著者の主観的な評価とか、真偽不明なエピソードとかが多いので、そのへんはなんとも言えない。 ただ、政治家としての遍歴を追って見ると、定見もなく、その場の勢いでのし上がってきたのがよくわかった。 一時期希望の党がすごい勢いで、これで自民党に勝っ…

「入門 東南アジア近現代史」岩崎育夫著

講談社現代新書。 案外知らない東南アジア諸国の歴史。 東南アジアとひとくくりに言っても、多様性に富んだ世界。民族、宗教、言語、政治体制等々一様ではなく、一つの国家の中も多様性。 政治体制の歩みは、土着国家、植民地、独立、開発独裁、民主国家とい…

「歴史に残る外交三賢人-ビスマルク、タレーラン、ドゴール」伊藤貫著

リアリズム外交とはなにか。バランス・オブ・パワー勢力均衡の維持。 外交に普遍的正義や好き嫌いの情緒は不要。 国際政治の行動主体は国民国家であり、国際機関や同盟関係ではない。 こういうことがずばっと書かれた本は貴重ですね。昨今のポピュリズム政治…

「米中もし戦わば」ピーター ナヴァロ著

米中間のいろんな問題に選択問題で回答を考えさせる内容。 たいてい一番悲観的な答えが正答だったりする。。。 中国の戦闘能力が予想以上に高く、アメリカとの差はかなり縮まっているという解説には焦りを感じる。 兵頭二十八の本に、中国は機雷封鎖でなんと…

「海の地政学-覇権をめぐる400年史」竹田いさみ著

中公新書。 大英帝国による植民地帝国、スエズ運河の確保による海洋覇権。 アメリカの捕鯨のための太平洋進出から、パナマ運河開発による海洋覇権。 第二次大戦後の海洋ルールの策定。 近年の中国による海洋ルールへの挑戦。 日本の海上保安庁の役割。

「コロナクライシス」滝田洋一著

WBSキャスターによるコロナウィルスの時系列の整理。 一つ一つの事例は聞いたことがあるものだが、時系列に並べると、中国とWHOに隠蔽工作があることがわかる。 現在の日本は緊急事態宣言を解除し、一旦は平常を取り戻しつつある。ただ次の波が来るのは時間…

「シュメル―人類最古の文明」小林登志子著

中公新書。 現在のイラク南部、ペルシャ湾付近チグリス・ユーフラテス川の間の最古の都市文明。 沖積平野で、石や木がないので泥で家や文字版を作る。 粘土板は紙と違って、火事にあうとむしろ固くなるので、残りやすいそうな。 洪水伝説の発祥。 都市文明で…

「物語 ナイジェリアの歴史-「アフリカの巨人」の実像」島田周平著

アフリカの知識皆無で、ナイジェリアの位置すらわからないので勉強。 ナイジェリアは面積は日本の2.5倍、人口は1億9千万人でアフリカ最大人口。 サハラ南のアフリカ中央部で経済的にはアフリカ一位の大国。 古くはサハラを通じた交易を行い、大航海時代では…

「戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略」平川新著

中公新書。 秀吉はなぜ朝鮮出兵したか、家康はなぜ鎖国したか、政宗はなぜ独自外交できたかというお話。 スペイン、ポルトガルの世界征服があったから、秀吉は対抗心で海外進出しようとした。結局失敗したけれども、スペインは日本の軍事強国ぶりに、武力に…

「ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学」本川達雄著

中公新書。 刺胞動物のサンゴ、節足動物昆虫、軟体動物貝、棘皮動物、脊索動物ホヤ等の体の構造の解説。 前にユクスキュルの環世界の本を読んで、生物の知覚によって違う世界を生きているというお話に感銘を受けまして、今回はそれの具体例的なお話でした。 …

「呉漢」上下 宮城谷昌光著

後漢光武帝配下雲台二十八将の二位大司馬呉漢のお話。 やる夫光武帝読んでたので、光武帝関連キャラはAAで覚えてる。 呉漢は海馬社長で武力で勢いで押し切るキャラだったような。幽州騎馬軍団の元締めだったようなイメージ。 この本読んだら南陽の貧農出身で…

「承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱」坂井孝一著

中公新書。 後鳥羽上皇による承久の乱の目的は倒幕じゃなくて、北条義時排除が目的だったというお話。 元々後鳥羽上皇と最大将軍実朝の時点で、朝廷と幕府は融和路線だったものを、実朝の暗殺で路線が狂ってしまい、後鳥羽上皇による義時追討の命令が出され…

「アカマイ―知られざるインターネットの巨人」小川晃通著

一般的な知名度はないけど、インターネットの大企業アカマイのお話。 アカマイの業務内容を通じて、インターネットの仕組みの勉強になった。 創業者が911事件でハイジャックされた飛行機に乗っていて犠牲になったという話はびっくり。

「プランク・ダイヴ」グレッグ・イーガン著

ハードSF短編集。 表題作品はブラックホールに突入する時に見える風景を描写してくれるけど、さっぱりイメージできない(^_^;) ワンの絨毯という作品が一番おもしろかった。地球外生物の話なんだけど、演算機能に特化した生命体でバーチャル空間とかよく考え…

「関東戦国史 北条VS上杉55年戦争の真実」黒田基樹著

関東戦国時代のお話。 前半は後北条氏が勃興して、関東管領山内上杉氏との対決。 後半は後北条氏が山内上杉氏を圧倒した後、長尾景虎が関東管領を継いで関東管領になり、上杉謙信となって後北条氏との抗争が語られる。 国衆レベルの細かい攻防が綴られるので…

「サイゴンから来た妻と娘」近藤紘一著

戦火と混迷の日々の後日談的な内容。サイゴン陥落前後はわりと内容が被ってる。 ベトナム人の妻と娘と東京に住むことになり、家庭内では少数民族な日常。 妻がなかなか強力なキャラで、ウサギを飼って締めて食べたり、娘をスパルタ教育したりで印象深いシー…

「現代中国悪女列伝」福島香織著

中国蠱毒過ぎる・・・日本ではこんな濃いキャラは出てこないだろ・・・ 悪女を通じて、男性政治家のキャラも雰囲気がつかめて良かった。 中国で権力を握ろうと思ったら、人脈が最も重要な感じ。共産主義と言いつつ、結局家柄が大事なようだ。

「紅梅」津村節子著

吉村昭最期の日々を妻の津村節子が綴ったもの。 舌癌から膵臓癌で、治療を何度も繰り返すも悪化していく。 津村も小説家で自分の仕事をするたびに、小説を書く女は最低だと夫を世話できない自分を攻める。はたから見るとかなり献身的に看護しているように見…

「戦火と混迷の日々―悲劇のインドシナ」近藤紘一著

著者の前作のサイゴン陥落の話から、その話の関連かと思ったら、カンボジアのポルポト政権下で生き残った日本人女性の話だった。 内藤泰子さんはカンボジア男性と結婚して、プノンペンで家族と暮らしていたら、クメール・ルージュによって首都陥落。都会の人…

「偶然の科学」ダンカン・ワッツ著

社会学に法則は見つかっているのか、偶然で成り立っているのではないかという内容。 因果関係が成り立っているように見えても思い込みに過ぎないという話が勉強になった。 ニコラスタレブのブラックスワンも、事件それ自体が問題ではなくて、事件が引き起こ…

「王室と不敬罪 プミポン国王とタイの混迷」岩佐淳士著

タクシン派と反タクシン派の対立構造がよくわかっていなかったのですが、この本で内実を知ることができました。 反タクシン派は王政派で、王を頂点とした秩序を守ろうとする。都市部と農村の格差は解消されない。タクシン派は自由主義的なタクシンによる改革…

「三国志外伝」宮城谷昌光著

マイナー人物列伝。登場キャラは王粲、韓遂、許靖、公孫度、呉祐、蔡琰、鄭玄、太史慈、趙岐、陳寿、楊彪、劉繇で、途中他の人の話の寄り道もあったりします。 韓遂、太史慈あたりが面白かったかな。陳寿の師匠の譙周は、蜀の劉禅に降伏を薦めたので演義だと…

「独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで」楊海英著

文春新書。著者は中国国内のモンゴル民族出身で、内側にいながら外側からの視点で見ることができた。 内容はほとんど毛沢東の悪行。中国共産党が中華民族中心思考で、周辺の諸民族がいかに弾圧されているか。

「三体」劉慈欣著

中国人作者による、やたらスケールのでかいSF小説。実のところ三部作の一作目で、救いのないところで次回に続く。 全人類の命運に関わる展開で、昨今のコロナウイルス騒ぎに雰囲気が近いような気がして、ちょっとメンタルに来る。 文化大革命の描写が迫真で…

「無人の兵団――AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争」ポール シャーレ著

ビル・ゲイツ推薦本ということで読んでしまう。 自立型兵器が倫理的にどうなのかという議論が主要な内容。 米軍は完全自立型兵器にはそれほど乗り気ではないような記述。

「戦車将軍グデーリアン 「電撃戦」を演出した男」大木毅著

角川新書。独ソ戦に続いて、グデーリアンの評伝。 グデーリアンは名前くらいしか知らなかったけど、ドイツ装甲部隊の父の一人なんですね。 前著独ソ戦でドイツ軍について、戦術的には強いけど戦略的視点に欠ける、ナチスの暴虐とは無関係ではなかったとあり…

「真剣師小池重明」団鬼六著

賭け将棋真剣師小池重明の最期の面倒を見た団鬼六先生による伝記。 異様な将棋の強さに関わらず、破滅的な人生を送ったというのは滅法面白いのですが、 生まれと育ちが名古屋の名駅西のドヤ街というのは、私も名古屋出身で土地勘があって、昔の雰囲気を味わ…