2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「花の歳月」宮城谷昌光著

貧しい家に生まれた娘が後宮に上がることになり、変転の末皇后になるお話。 漢の高祖劉邦亡き後の呂氏専制の時代で色々ドロドロしているものの、わりとさらっとした展開。おとぎ話みたいな感じ。 老荘思想がテーマかな。人間万事塞翁が馬みたいな感じ。

「認知症は早期発見で予防できる」青柳由則著

NHKで認知症関連の番組作ったディレクターの書き下ろし。 2016年の本なので、ちょっと古いかもしれない。 アミロイドβが脳に蓄積するのが原因と思われていたが、アミロイドβを除去しても症状は改善しない。実は発症する20年前から軽度認知障害MCIが進んでい…

「承久の乱 日本史のターニングポイント」本郷和人著

文春文庫。 鎌倉幕府は朝廷とはどう違うのか、鎌倉幕府の成立や承久の乱の意味合い等から解説した内容。 天皇を頂点とした国家機構と、御恩と奉公で繋がった地方領主の政権との相克だそうな。 源氏の将軍が三代で滅んだあと、生き残った北条が新たに王になっ…

「海軍乙事件」吉村昭著

主に第二次大戦の話の短編集。 題名の海軍乙事件と甲事件の話があります。 乙事件は古賀連合艦隊司令長官が飛行艇で移動中に行方不明になった事件で、 甲事件は山本連合艦隊司令長官が飛行機で移動中に撃墜された事件。 この本では、古賀長官の乗った行方不…

「侠骨記」宮城谷昌光著

春秋やそれ以前の話の短編集。 百里奚や某ビッグネームの話が面白かった。 百里奚は若い時から仕官しようとしてもうまくいかなくて、老人になって人生諦めたら逆に宰相の道が拓けたという稀有な運命の人。あの秦が昔は有徳だったのね~とおとぎ話みたいな感…

「紙の動物園」ケン リュウ著

中国系の作者によるSF短編集。情緒的でハード差を減らしたテッド・チャンと言ったところか。 私はテッド・チャンのゴリゴリハードのほうが好きかな。

「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」飯塚訓著

日航機墜落事故の遺体判別現場。 警察、医師、歯科医、看護師の努力で、飛散した遺体が判別していく様子は頭が下がる。 日本人と外国人の遺体への感覚が違うのはたまに聞くことで、私はどうせ燃やすのだからそんなにがんばって判別しなくても良いのではと思…

「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」大木毅著

岩波新書。近年の情報公開で情報がアップデートされた独ソ戦の全体像。 以前パウルカレルの戦記物を何冊か読んだのですが、国防軍擁護の捏造があるとかで、ドイツではもう絶版とのこと。 独ソ戦を始めるのを指示したとか、モスクワを軽視したとかはヒトラー…

「サイコパスの真実」原田隆之著

ちくま新書。サイコパスに関する犯罪心理学における説明。 サイコパスはどういう特性から成り立っているか。特性の濃淡によってどういうタイプがあるか等参考になる。 私の人生で確実にこいつはサイコパスという人に会ったのはそうそうないけど、一度仕事を…

「老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体」鈴木大介著

オレオレ詐欺等、老人を狙う組織犯罪の実態。2015年の本なので、手口的には変わっているかも。 徹底した組織運営や社員教育、モチベーションの高さは、今の日本企業では見られない。 この本に出てくるプレイヤーは、軍隊にいれば優秀な兵士になったであろう…

「ラーメン屋 vs. マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層―」竹中正治著

新潮新書。アメリカ駐在していたエコノミストによる日米比較論。 アメリカは巨大資本で均一化する一方、日本は少資本で色んな店がある等。 文字の形式でディベート文化とブログ文化に分かれるとか、日本は家が高いから株じゃなくて不動産に金が行くとか、日…

富山城

9/11-13まで富山出張。時間を見つけて続百名城富山城に行きました。 富山市電とバスのみ使えるICカードエコマイカ購入。互換性はなし。 城の南側から。城っぽい建物だけど、資料館。城の建物は明治に壊されて官公庁になってしまった。 敷地内は公園で、小さ…

ハクソーリッジ

メル・ギブソン監督。沖縄戦の激戦地ハクソーリッジで、銃を持てない衛生兵が助けまくるお話。 メル・ギブソンのわりにハートウォーミングストーリーじゃん!って思ったり。 ハクソーリッジの崖の描写は嘘くさい(^_^;) 日本軍がわりと強いのは良いですね。

「昭和天皇伝」伊藤之雄著

文春文庫。漫画「昭和天皇物語」より実像を描写しているかな。漫画は若干美化している感じ。 即位したての頃は、理想に力量がついてきてなくて判断を誤り、軍部の支持を失ったことで満州事変等の軍部の暴走を止めることができなかった。 終戦時の頃はある程…

幸福な監視国家・中国

NHK出版新書。中国の監視社会の実態。 よく日本のテレビでやってるようなディストピア的なところまでは実質的には達成していない。 倫理的な行動をすると社会的にメリットが有り、不道徳な行動をするとデメリットがあるように社会が設定されているので、社会…

「新リア王」高村薫著

晴子情歌の続編。晴子情歌で漁師だった息子が禅宗の坊主になって、寺に実の父親の政治家が突然訪ねてくる。そして対話篇へ。 政治話と寺の話が交互に語られる形。両者とも、著者はどうやって政治家や坊主の心情を取材したのか不思議でならん。青森の政治家が…