「昭和天皇伝」伊藤之雄著

文春文庫。漫画「昭和天皇物語」より実像を描写しているかな。漫画は若干美化している感じ。

即位したての頃は、理想に力量がついてきてなくて判断を誤り、軍部の支持を失ったことで満州事変等の軍部の暴走を止めることができなかった。

終戦時の頃はある程度円熟してきて、軍部の暴発を防ぎつつ終戦に持っていくことができた。

戦後は、立憲君主的な政治的な言動はややあるものの、象徴天皇として国民を統合することができた。

元老西園寺公望が高齢すぎて、原敬が早死せず未熟な天皇を補佐できていれば、歴史の流れが変わったのではないかとの記述。