2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「現代ロシアの軍事戦略」小泉 悠著

ソ連崩壊後のロシアは、経済力も技術力も先細りなのに、クリミア併合に成功するなど軍事的に大きな地位をしめているのはなぜか。ハイブリッド戦争とは何か、という内容。 ネットによるハッキング、世論誘導、ドローン技術等、ハイブリッド的な非軍事手段に力…

「生き残った帝国ビザンティン」井上 浩一著

1000年間生き残ったビザンチン帝国のお話。 ローマ帝国の正統な後継であるという伝統意識があるから残ったわけだけど、伝統の裏で現実に合わせて政体を変えてきたから生き残ってこれたという解説。 国力がある時は拡張して、イタリアとか含む大帝国になるけ…

「100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影」春日 真人著

NHKスペシャルによる、ポアンカレ予想を証明したペレルマンの話。 ペレルマン以外にも、ポアンカレ予想を証明するための道筋を拓いた数学者たちも取材していて、多士済々で面白い。 ペレルマンはトポロジー的手法ではなく、物理学的手法を使ったと言っても、…

「フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔」高橋 昌一郎著

20世紀前半に活躍したフォン・ノイマンの伝記。 マンハッタン計画で爆縮レンズ計算したというのは聞いてたけど、それ以外にも非常に広範囲に活躍したのね。 フォン・ノイマン以外にも第二次大戦のヨーロッパからアメリカに逃げてきた科学者たちの逸話も豊富…

「専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話」忽那 賢志著

忽那先生による新型コロナの解説本。 先生の文書はよくネット記事になっているので、それをまとめた感じ。 コロナ以外の感染症全般の解説が詳しく、非常に勉強になった。

「武田勝頼(三)空の巻」新田次郎著

最終巻。信康自刃から高天神城陥落、甲州征伐、武田家滅亡。 酒井忠次は徳川四天王くらいしか情報がなかったけど、織田との取次をする徳川のNo.2で、信康自刃の要因だったんだな。平岩親吉は脳筋で、この人が信康の傅役をした性で信康は乱暴な性格になったと…

「武田勝頼(二)水の巻」新田次郎著

長篠の戦いから御館の乱まで。これを読んでて電車を二回乗り過ごしてしまった。 通俗的イメージだと長篠の戦いは鉄砲隊で騎馬隊を粉砕という筋書きだけど、新田先生はそうではないと言う。戦闘は8時間程度は続き、鉄砲隊で簡単に粉砕したわけではない。武田…

武田勝頼(一)陽の巻 新田次郎著

全3巻の最初。前作に武田信玄があるけどそっちは読んでない。 勝頼の生い立ち、信玄死去からの家督相続、 美濃の明智城と遠州の徳川の高天神城を陥落させるのが最盛期。 高天神城の時は信長が援軍に乗り気でなくて、結局陥落。家康は援軍の要請に来た高天神…