2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「神聖ローマ帝国」菊池良生著

講談社現代新書。 神聖ローマ帝国の通史。全体を通しての歴史はよくわからなかったので参考になった。 神聖ローマ帝国は東京ドイツ村とかカップ焼きそばみたいな、名前が全然実態と合ってないという鉄板ネタがある。 カール大帝がフランス・ドイツ・イタリア…

「海の祭礼」吉村昭著

ペリー来航前、白人とアメリカ先住民のハーフの青年マクドナルドはアメリカ社会に失望して憧れの日本に向かう。捕鯨船に乗って、偽装漂流で利尻島に上陸。長崎に送られ、迎えの船が来るまで監禁状態に。その間に英語の重要性を痛感していた通詞森山栄之助は…

「関ヶ原大乱、本当の勝者」

朝日新書。各大名の動向を一次資料から検討した内容。一章ごとに筆者が違う。 東北の上杉最上の戦いが面白い。最上の奮戦で直江は目標を達成できず。伊達は100万石のお墨付きを貰っていたが、これは切り取り次第という意味で、一応占領地は貰えている。 前田…

「イネという不思議な植物」稲垣栄洋著

前半がイネの生物学的特徴で、後半が日本におけるイネの歴史的役割。 イネ科植物はそのへんの雑草かと思っていたら、実はかなり特殊な進化を遂げているとあってびっくり。乾燥地帯で生きるために成長点を下の方において、上部を食べられても成長可能。ケイ素…

「子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗りこえるための発達心理学」渡辺弥生著

光文社新書。 子どもが10歳くらいで直面する壁の話。 感情が複雑化し、友人関係も複雑化し、悩むことが増える。 飛躍の時と言い換えることもでき、周囲の大人が適切にサポートすることで成長に繋げられる。

「藤原氏―権力中枢の一族」倉本一宏著

藤原氏の成立からの歴史。 中臣鎌足が藤原姓を受けて成立し、不比等が持統天皇と統治システムを作り上げるところまではがんばって読んだ。4兄弟以降は同じことの繰り返しみたいな感じで、飛ばし読み・・・いかに天皇の外戚になって実験握るかという権力闘争…

「寄生虫館物語」亀谷了著

目黒の寄生虫館初代館長による寄生虫よもやま話。 いろいろな寄生虫の話があって勉強になった。サナダムシは節ごとに精巣と卵巣があって、他の節から受精するとあったが、自家受精ではないのだろうか? オスメスが寄り添ってずっと一緒の種も結構いるのね。 …

「アメリカ彦蔵」吉村昭著

13歳の彦蔵が船乗りとして初航海で漂流し、アメリカ船に救助され渡米して・・・ という吉村昭先生の漂流ものの一つ。 彦蔵はジョン万次郎より10歳程度年下で、初めてアメリカ国籍取った日本人。三人の大統領に会ったという。 彦蔵以外にもたくさんの漂流者の…

バーニング・オーシャン

2010年メキシコ湾原油流出事故の映画化。ネトフリで視聴。 工程の遅れから、必要なテストを実施せずに作業を強行して、海底油田から原油が逆流、ガスで海上プラントが大爆発というお話。 現実が元ネタだから、つらい展開が続いて、スカッとすることはない。 …

「犬の伊勢参り」仁科邦男著

江戸時代、60年ごとの遷宮に対応して、大規模なお伊勢参りブームがあり、人だけではなく犬も伊勢参りをしていたという記録。 決してオカルト的な話ではなく、数々の記録から実際の犬のお参り例は存在し、当時の人には当たり前の事象だった。 作者の分析によ…

「三体2 黒暗森林 」上下 劉慈欣著

前作の最後で絶望的やんけ!ってなってからの続編。 三体星人が攻めてくるまでの400年間の準備とその結末。 黒暗森林というアイデアが核で、コズミックホラー的な感じがします。 急に銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーのセリフが出てきてワロタ。中国では流行…