「オホーツク核要塞 歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略」小泉 悠著

ソ連から現在にかけて、オホーツク海がいかにSSBNの聖域とされてきたか、歴史的経緯や技術的経緯についてのお話。

ソ連ではバレンツ海オホーツク海がSSBNの聖域とされ、何重にも防衛ラインが引かれていた。冷戦終結後のロシアの経済崩壊で、ロシア軍は壊滅的被害を被ったが、核戦力はかろうじて命脈を保ち、その後のロシアの経済的復権で持ち直した。

ソ連時代の弾道ミサイルの射程の技術力の進歩で、当初は潜水艦を外洋まで出す必要があったのが、自国の近海からの発射で十分な射程を得ることができたので、聖域を設定して核要塞化することができた。北極海の氷を割ってミサイル発射可能というのには驚いた。

現代でも日本の近海でこのような海域が存在しているのは、驚くべき事実。