「歴史に残る外交三賢人-ビスマルク、タレーラン、ドゴール」伊藤貫著

リアリズム外交とはなにか。バランス・オブ・パワー勢力均衡の維持。

外交に普遍的正義や好き嫌いの情緒は不要。

国際政治の行動主体は国民国家であり、国際機関や同盟関係ではない。

こういうことがずばっと書かれた本は貴重ですね。昨今のポピュリズム政治を見ていると、どうなってしまうか心配でならんです。

ビスマルクはやる夫スレで見たので割と詳細は把握していましたが、ドイツ帝国を作り上げちゃうのはすごい能力ですね。帝国ができる前後で政策をころっと変えちゃうのもすごい。今でもやることを180度変える政治家が出たら避難轟々でしょう。

タレーランは敗戦国フランスを賠償一切なしで実質戦勝国にしたというわけのわからん外交能力というのは知っていましたが、その政治思想は実は一貫して古典的自由主義立憲主義というのは気づかなかった。そう言われるとそんな感じもします。

ドゴールはあまり知らなくて、アメリカ的視点の話を見るのが多かったからあんまり有能な人とは思っていませんでした。フランスが第二次大戦後の状況から核保有国になってるというのは確かにすごいことである。

作者の主張を見てると、日本は日米同盟を脱却して核武装をするのが正解に思えるが、はたしてそれだけの責任を持てるほど日本人に気概は残っているのだろうか疑問・・・