「憲法で読むアメリカ史」阿川 尚之著

アメリカ合衆国憲法1787年成立。1889年公布の大日本帝国憲法より100年も前。アメリカに歴史がないなんてことはないわけだ。

社会の移り変わりによってどのように憲法解釈を変え、憲法を変えてきたか事例ごとに紹介した内容。

ホームズ判事の話が印象的。法の生命は論理ではなく経験である。法は、現在及び将来の人々を支配するものではなく、その時々の人々によく仕えるための「道具」である。裁判官は、論理によって法原則を適用して機械的に結論を出しているのではなく、まず結論を出し、その後に適用すべき法原則を見つけ出しているのである。法が一定のルールの体系であり、裁判官はこれに拘束され、これを解釈するだけであり、法を事実に適用して機械的に結論を出しているという伝統的法理論は形而上学に過ぎない。