「経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く」牧野 邦昭著

新潮新書。太平洋戦争前に、陸軍の調査機関秋丸機関による、各国の経済力分析結果の内容と、その報告書が日本の指導者に与えた影響について。

日本と英米では経済力に差がありすぎて、2,3年以上では勝負にならないこと。

日本が勝利するためには、イギリスを戦線離脱させる必要があり、そのためにはドイツによる通商破壊が成功する必要があること。

対ソの北進と、対英の南進では、どちらでも結局欧米と戦うことになり、北進では石油が確保できないので論外であること。

経済力に差がありすぎるというのは元々常識的な考えで、指導者層はみな認識していた。

開戦を決めたのは非合理的に今からすると思えるが、時間がすぎるとガス欠で継戦能力がなくなり必敗であることと、負ける可能性は大だがもしかすると勝てるかもという選択肢は後者を選ぶのはありえることという結論。

 

昔見たこの記事は参考になるかな?

太平洋戦争の盲点とその戦略的解答

http://pathfind.motion.ne.jp/pow.htm