「禅への鍵」ティク・ナット・ハン著

ティク・ナット・ハン師が禅について解説した書。臨済禅だけあって、公案の解説が充実。唯識の解説も多い。
公案は準備のできている者が受け取ると大いなるヒントになるというもので、そうでないと全く意味を成さないという解説は参考になった。といえども、禅の頓悟的な悟りと、テーラワーダのヴィパッサナー的な悟りはなんかちょっと方向性が違うんじゃないのという疑問もある。
ベトナム陳王朝の初代の王陳太宗は引退した後禅の修行に打ち込み、公案集を作ったというのはかなり厨臭い設定で萌える。天下五絶の一灯大師も大理国皇帝から出家した人物で同一人物かと思ったけど、ちょっと時代が違うんだな。