複雑系

バタフライ効果というものがあって、ニューヨークあたりで蝶々が起こした微弱な風が原因となってフロリダでハリケーンが生じるという話で、ちょっとしたことでも重大な結果を生じることがあるということで、複雑系という学問でよくいわれることです。
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諸々の事象は相互で線形な関係を持っているのではなく非線形の関係であるから一つ一つの変数の変化がどのような現象を生じるか予測するのは非常に難しい、簡単に言えば風が吹けば桶屋が儲かるということですな。世の中の人はこのことを理解している人が少なくて、世界は少数のユダヤ人によって動かされている!(陰謀論)とか景気が悪いのは政治家が全部悪いとか、難しいことを簡単に結論づけることが多いみたいです。
話は変わりますが山田風太郎先生は風桶屋方式の推理小説?のような話がかなりお好みで、具体的に作品例をあげるとネタバレになっちゃうからやめますけど、話の中でこんな例を紹介してますしねえ(これって作中での自分のネタの宣言なんですな)
ドイツのビスマルク外交政策について
1.ドイツが最も恐れたのはフランスの攻撃
2.フランスはドイツを牽制する為ロシアと同盟を結んだ。ロシアは世界最強の陸軍を持つといわれており、このロシアを極東満州に目的を持たせることができればドイツはフランスの攻撃を懸念する必要がなくなる。日本への三国干渉にドイツが加わったのはロシアを満州に追いやる布石である。
3.ロシアが簡単に極東経営を成功してはドイツの東境は安全ではなくなる。そこでドイツは日本に着眼し、日本をロシアの対立者にしようと考えた。
4.だが日本はロシアの対立者としては力量不足である。それを補うために日英同盟の成立を画策した。
5.イギリスは極東権益を保持するためアメリカとの同盟を望んでいた。この望みをたたないと日英同盟の現実性はない。
6.かくしてドイツは駐米外交機関に「英米の接近を妨害せよ」との秘密訓令を発した。
以上。これが本当なら日露戦争ビスマルクの計略・・・