「幣原喜重郎とその時代」岡崎久彦著

小村寿太郎とその時代の続き。日露戦争後の大正デモクラシー、海軍軍縮満州事変に至る外交の流れとその時代の外務大臣幣原喜重郎のお話。
幣原喜重郎の人物的な話はそれほど無くて、外交姿勢としては英米重視の国際協調外交を目指したもの。結局は中国のナショナリズムと衝突して、国際協調外交は破綻していくという悲劇的な将来が見えてくる展開でした。
日英同盟ワシントン会議で米英仏日の四カ国条約に昇華して破棄されたのがいけなかった感じがする。アメリカが日英同盟をなくしたいという意思は強いので、ここを回避するのは難しかったかもしれないが、日英同盟ないと米と敵対関係になるのは不可避ですわな。でもこの本では、日英同盟が続いたらアジア諸国の植民地からの独立は数十年遅れていたとの指摘はありました。