「デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突」ハル・ブランズ,マイケル・ベックリー著

2020年代に米中間の危険性が上昇するが、それは中国が台頭するからではなく、国力がピークを超えて減衰し始めることを北京が認識して無謀な軍事的な賭けにでる可能性が高まるからという主張。

例としては第一次大戦のドイツや第二次大戦の日本が当てはまる。ジリ貧になるよりはワンチャン賭ける感じかな。

このデンジャーゾーンを乗り越えた例として、冷戦時のソ連が紹介されている。ただ、最初に危機的な状況を克服したとしても、その後に長い対立の状況が続く。

この本にはデンジャーゾーンを乗り越えるための具体的な行動指針が載ってはいるものの、果たして今のアメリカやその同盟国に可能かは疑わしいところではある。

日本に、中国がアメリカを打破した後の世界を想像し、それを防ぐための努力をおこなう覚悟をすることがはたして可能だろうか。