「ブッダという男: 初期仏典を読み解く」清水 俊史著

ブッダが平和主義者、差別批判者、業や輪廻を否定したというような近年の言説があるが、これらは近代の価値観で神格化した見方であるという内容。

昔の人間が時代を超えて現代の価値観を持っているということはない。そりゃそうで、これから未来には今の価値観は時代遅れになっているわけで、ブッダが現代の価値観を持った超人という見方も未来になったらひっくり返るわけだ。

業や輪廻を否定していないというのは、仏教思想のゼロポイントにあったなあ。

後書きに、最近話題のアカハラの話がちょっと触れられていて、仏教哲学の世界でも世俗的で世知辛いんだなあと思ったり。