「歴史人口学で見た日本」速水 融著

速水先生の自伝的要素があって、若い頃にヨーロッパに留学した時に、キリスト教の教区簿冊を用いた歴史人口学に触れて、日本で宗門改帳を用いて歴史人口学を始めたという内容。

ものすごい地道な学問だけど、江戸時代の人口動態とか、田舎から都市への出稼ぎの動きとか判明してすごく感心しました。

江戸時代に入って、一世帯が大人数だったのが新田開発に従って世帯人数が減少するという流れ。ヨーロッパでは家畜を増やして生産性を上げるのに、日本では逆に家畜を減らして人間の労働で生産性を上げるという不思議な流れも面白い。