「日本の原子力外交 - 資源小国70年の苦闘」武田悠著

中公叢書。戦後から今日までの、日本による原子力に関する外交努力。
日本のと言っても、戦後の商業炉開発時から一貫して関わっているだけに、世界の原子力の流れも掴むことができる。
紆余曲折はあるにしても、核兵器保有国でありながらウラン濃縮や燃料サイクル等まるまる有することができるということは、日本の外交努力の成果であるといえる。
米原子力協定は2018年7月に更新されるということで、アメリカの意思に不安感を持つ人も多いが、筆者は一貫して日米の協力関係こそが原子力協定の基盤であると述べる。日米の協力関係が続くなら、自ずから原子力協定も続くであろう。
調度米朝首脳会談が行われたところだが、北朝鮮核廃絶に向けて、米朝は協力関係を築くことはできるだろうか?