「ドゥ・ゴール」佐藤 賢一著

前に読んだ↓でド・ゴールの概略を知りました。今回は佐藤賢一による伝記を読みました。

shpolsky.hatenablog.comてっきりエリートの生まれかと思っていたら、教師の生まれだけどそれほど裕福でもないということ驚き。なんでそれで自分=フランスというような強烈な自負心になるんだ・・・

第二次大戦時は少将で国防次官として内閣の一員。フランスが降伏する時にはロンドンで自由フランスを立ち上げて、ヴィシー政権よりこっちが正当だと活動するんですな。

フランス植民地におけるヴィシー政権との勢力合戦はなかなか熾烈。ルーズベルトには無視されぱなしだったけど、最終的にはフランスを戦勝国の一員にして、国連の常任理事国にした手際はタレーランに劣らないと思われる。下手すると独立国どころか日本のような連合国による軍政下とか、共産革命とかになってもおかしくなかった。

戦後も返り咲いて第五共和国の初代大統領となり、植民地は諦めざるを得なかったけど、核武装を推し進めてNATOから脱退するとは日本からは考えられない外交姿勢です。

ダウン症として生まれた娘をずっと愛していて、最期もパンテオンではなく妻子と同じ墓に入れてくれという家族愛に涙腺がうるみました。