紫禁城の栄光―明・清全史

講談社学術文庫

元末の明の成立から清の成立を経て、清の末期まで。

元末についに南側の経済力が北側を凌駕し、明がはじめて南側初の統一政権になったとの指摘。

朱元璋が粛清しまくったのは、最下層から成り上がったので子飼いの部下が少なかったため。臣下が元同僚とかで、当初は皇帝の権力が脆弱だった。

元はモンゴル高原に逃げて北元となって滅びていない。明は遊牧民族を屈服させるのに失敗し、結局長城を国境とするしかなかった。

清は満州、蒙古、漢民族を内包する多民族国家であり、実は満州族への権力構造は脆弱だった。優秀な皇帝が続き、満州族を骨抜きにして皇帝へ権力を集中させた。

鄭成功の活躍が面白く、彼を主人公にした小説を読んでみたい。