「阿片戦争」3,4巻 陳舜臣著

全4巻のうち後半。

清軍は広州の守りを固めるも、イギリス軍は北上し天津付近を攻略。道光帝は気弱になり、林則徐は解任される。

いったん和平に向けて交渉が進められるも、道光帝は再び主戦論に転じ、イギリス軍は攻撃先を自由に選べるので清軍は各地で各個撃破される。揚子江に侵攻し、北京への大動脈の運河が握られるに当たって、道光帝は戦意を喪失して和平に至る。南京条約で、清は自由貿易になり、香港はイギリスに割譲された。

イギリスは清の生命線が運河にあるということがわかっていたのは、後のペリー艦隊による江戸湾封鎖につながると感じました。

清は各地に派遣された満州旗人部隊と現地の漢人とで紛争が絶えなかった。漢人にとっては満州人と白人はどちらも異邦人であり、後に民族主義につながっていく。また官軍が不甲斐ないので、各地に民間の防衛隊が発足し、イギリス軍にかなり善戦した。これも後の郷党として清を弱体化させた軍閥の元になった。