「陸奥宗光とその時代」岡崎久彦著

岡崎先生による、陸奥宗光の生涯とその時代の状況。
岡崎先生曰く、陸奥は小器用な才気走った性格で、平時に生まれていたら人を小馬鹿にして努力もせず、大成しなかったであろうというようなことを書いています。幕末明治という時代故に、時代に揉まれて克己奮闘してずば抜けた学識を得ることができたということでした。
陸奥のことは、マンガのおーい竜馬でいけ好かない若造として出てきて、それ以上のことはあまり知らなかったのですが、出世の端緒が明治政府成立直後の戊辰戦争中混乱期に、英国との修好を結ばせるとか、幕府が購入予定だった甲鉄艦を買い受けるとか、ずいぶん広い視野で判断できたことができるものでした。
薩長閥でなかったので出世は難しかったとは言え、第一回帝国議会で議会運営に当たったとか、外務大臣として不平等条約改正を改正し、日清戦争を主導したとか、すごい業績の数々です。
山田風太郎の小説だと、獄中で女を孕ませたとか所業がひどかったような・・・