「「城取り」の軍事学」 西股総生著

日本の城、主に山城を軍事的視点から考察した内容。

築城者や築城年代が確定している城は2割もないほどで、城にある看板の記載はたいてい根拠がない。領主と城主をごっちゃにしている。

大名が地域の防衛のために差し向けた防衛隊の武将が城主の可能性が高いというのは、言われてみるとそりゃそうだよねという話。

資源や人のリソースは限られているので、機能盛り盛りよりも、ある特定の用途に特殊化している城が多い。特定の方向のみ防衛設備が整っていて、裏は全然とか。

一見、なぜここに築城したか謎な城があっても、大名の位置関係から敵の進行方向を予想して妨害目的に築城されたと想定すると合理的とか、そのばその場の状況を考慮しないとわかりにくいことも多い。

自分が城巡りをしていると、上りは攻撃側視点、下りは防御側視点ということで、こういう攻撃を想定して作ってるのかなと思ってはいたけど、この本でより具体的に考えながら回れそう。