小笠原長行は継嗣なのに老中になって、五稜郭まで行って抗戦。記録上では大名をついではないのね。
加納久宜は上総一ノ宮藩主で、明治には校長やったり議員やったりして、鹿児島県知事になって、全国で低位だった進学率を全国のトップレベルに引き上げ。農業振興等名知事として知られる。晩年は地元一宮で町長になる。
等々、明治期に活躍した殿様の話が多し。立派な人ばかりで、だめな人の例も知りたいなあと思ったり。
ソ連初期の核開発から、崩壊後ロシアの状況まで。
アメリカに潜入しているスパイの情報で開発したと思ったら、防諜工作のお陰で全情報が取れていたわけではなく、ソ連技術者による研究開発の重要性も大きかったとのこと。
初期の黒鉛炉の成功から、原子炉の大型化が進んでいくのですが、実際は初期の黒鉛炉も問題山積みで、拙速に大型化しても解決しているわけではないという。
作業者の平均被ばく量が1Sv近くあったとか恐ろしいことが書いてある。ソ連自体に発生した核廃棄物は未だに発電所敷地内に積んであるとか、北極海に垂れ流しとか、おそロシアなことが多い。
ソ連崩壊で中断したかに見えた原子力業界は近年のロシアで原子力ビジネスとして復興してきている。今のウクライナ戦争で新たな核の危機になりかけているのでどうなることかという〆
幕府系の殿様の話が多くて、幕末に苦労して明治に一旦没落という話が多い。
ただ、エリート教育を受けているからか、明治に政治家官僚実業家をやってる人も多い。
電子版特典に「『禁断の江戸史~教科書に載らない江戸の事件簿~』」の一部付き。
こちらは禁断とまでは思えないが、江戸時代のマイナーな事件が紹介されている。富山の薬売りのシステムとか、永代橋が落ちた話とかなかなか興味深い。
最終巻。ついに首都天京を得た太平天国。
苦労 は共にできても、安楽は共にできないの言葉通り、激しい権力闘争が始まる。東王楊秀清、北王韋昌輝は粛清され、人望のある石達開は洪秀全の親族に妬まれ、独立行動で天京から離れていく。
歴戦の将がいなくなったかに見えたが、若き将陳玉成や李秀成の活躍で反転攻勢に成功する。
本の中では結構ダイジェスト的に話が飛んで、北伐は失敗、征西は曽国藩の湘軍との消耗戦。上海では英仏連合軍が清に加勢し、最後は洪秀全は病死、天京は陥落し、太平天国の人々は死んでいくのであった。
諸行無常ですね・・・
清について考えると、阿片戦争、太平天国の乱、日清戦争、義和団の乱とこれだけボコボコにされながながらも、辛亥革命まで命脈を保ったというのは、驚きの耐久力である。
全四巻のうち2,3巻。
太平天国軍は永安での清軍の包囲の突破に成功し、北上する。清は阿片戦争で莫大な賠償金を払うために増税を重ね、庶民の不満は頂点に。太平天国軍は移動するたびに清に不満を持つ人々を吸収し、拡大を重ねる。
ただ途中の桂林や長沙は攻略できず、南王馮雲山、西王蕭朝貴が戦死してしまう。
岳州で大量の船を入手し、武漢三鎮の攻略に成功。ついに省都を手に入れる。
勢いのまま長江を下り、南京の攻略に成功。移動する国家であった太平天国は南京を天京と改名し首都と定める。
ただ上海に租界を設けていて西欧列強は、太平天国がキリスト教であるか危ぶみ、緊張感を増していくのであった。
地図を見ると旗揚げの地の広西省は大陸のほぼ南端で、そこから武漢や南京まで至るといのは大陸的スケールで、すごい話ですね。