「太平天国」4巻 陳舜臣著

最終巻。ついに首都天京を得た太平天国

苦労 は共にできても、安楽は共にできないの言葉通り、激しい権力闘争が始まる。東王楊秀清、北王韋昌輝は粛清され、人望のある石達開は洪秀全の親族に妬まれ、独立行動で天京から離れていく。

歴戦の将がいなくなったかに見えたが、若き将陳玉成や李秀成の活躍で反転攻勢に成功する。

本の中では結構ダイジェスト的に話が飛んで、北伐は失敗、征西は曽国藩の湘軍との消耗戦。上海では英仏連合軍が清に加勢し、最後は洪秀全は病死、天京は陥落し、太平天国の人々は死んでいくのであった。

諸行無常ですね・・・

清について考えると、阿片戦争太平天国の乱、日清戦争義和団の乱とこれだけボコボコにされながながらも、辛亥革命まで命脈を保ったというのは、驚きの耐久力である。