「言葉の皮を剥きながら 岩倉具視」永井路子著

永井先生は前に炎環を読んで、鎌倉武士は蠱毒みたいだなあと感心した記憶があります。岩倉具視が何をやったかよく知らなかったので、読んでみたところ、小説ではなく評伝でした。

岩倉具視を主人公としたというより、岩倉具視を中心とした幕末の歴史の流れを書いたという内容。尊皇攘夷とかの言葉の裏は実際はもっと権力闘争ドロドロの世界。理念はあっちこっちに振れる。孝明天皇の攘夷一辺倒というイメージも変わったなあ。

岩倉具視は下級公家で、立身のきっかけは妹が孝明天皇の側室になって娘を産んだからというのは知らなかった。岩倉が孝明天皇暗殺したというのはそういう縁からナンセンス。

「ことばの発達の謎を解く」今井 むつみ著

乳児や幼児がどのようにことばを習得しているか。

大人が外国語を学ぶときは、外国語を母語にトランスレイトしながら学ぶわけで、それに対して赤ちゃんは母語がない。かなり高度なことをやっている。

幼児のいい間違えはかなり高度なことをやっていることを示しているのね。

「帳簿の世界史」ジェイコブ・ソール著

主に複式簿記の歴史。

中世のイタリア都市国家で発明され、その後ちゃんと帳簿つけてる国は繁栄し、付けてない国は破産するというお決まりのパターンが繰り返される。

国家財政を公開しちゃったら、王と国民への予算配分のあまりの格差にフランス革命始まったのはワロス

現代の資本主義では、会計が複雑になりすぎて、破産はなんぼでも起きるよという〆。

古宮城

すごく久々に城巡り。最近は週末はいつも天気悪いのと、体調があまり良くなかったので出かける機会がなかった。

青空フリーパス豊橋飯田線で新城へ行き、バスで作出方面へ。

作出の民俗資料館で縄張りの資料をゲット。ただでジオラマとか鉄道模型が見られるのでなかなか面白い。

神社の奥が古宮城。続百名城。規模は小さいが、技術を凝らした密度の高い城。

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城のすぐ近くに、豊川と矢作川の分水点。

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南に1kmちょい歩くと亀山城。すぐ近くに道の駅があるからか、かなり整備されていて、そのせいで逆に遺構がなくなってる感じ。

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道の駅で五平餅やフランクフルトを食べ、バスで帰還。豊橋ではいつもカレーうどんを食べてしまう。

「管仲」宮城谷昌光著

上下。斉の桓公の宰相管仲の話。

宰相の話というより、親友鮑叔牙との友情がメイン。

話の前半はひたすら雌伏の時で、後半の山場でも管仲は鮑叔牙に負けちゃう。それでも鮑叔牙は国を想って管仲を推挙するのね。

管仲の何がすごいかはいまいちよくわからなくて、むしろ鮑叔牙のほうがすごい感じがするなあ。

才能だけでは駄目で、苦労しないと大器になれないというのはわかる気もする。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー

ロシアの戦車映画。映画館で見ました。

一発で2台抜きとか、跳弾で撃破とか、スロー多様でゲームっぽい描写。

戦車アクション盛りだくさんのおっさんアンドパンツァーです。

自軍はT-34の76型から85型。

敵軍はティーガーとかパンターです。他にも88mm砲とかも出てきます。

フューリーはアクションで不満があったりしましたが、今回は戦争映画というよりは戦車アクション映画で、戦車好きなら文句なしです。

「「乳と蜜の流れる地」から―非日常の国イスラエルの日常生活」山森みか著

イスラエル人と結婚してイスラエル在住の人による日常生活の話。

イスラエルと言ったら、ユダヤ教徒パレスチナをがんがん攻撃してるみたいなイメージだけど、日常生活は全然イメージなかったので新鮮でした。

家族を持つことが人生の大目的で、養子を取るのに抵抗がない。ユダヤ教の戒律守る度合いは人それぞれ。防衛に関する感覚は日本の真逆か。

筆者がかなりバランスの取れた感覚で、かなりシビアな社会状況に関わらず、かなり客観的な描写になっている。