「大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか」佐々木閑著

佐々木先生による、大乗仏教の各宗派ごとの解説。

仏陀の元々の教えと比較してどこが違うかわかりやすく解説していて、結構攻めた内容。佐々木先生は、救われる人がいれば価値があるとかフォローしてるけどあまりフォローになっていないような・・・

巻末の、大乗起信論は数年前の学術論文によって、実は中国で作られたのが確定したという補講は結構衝撃的な内容。

「源義経の合戦と戦略 ―その伝説と実像―」菱沼一憲著

文献の比較検討で義経の実像を探った内容。

物語だと義経は奇襲とか新戦法を駆使したような感じですが、実際は事前準備や地方勢力との調整に時間をかけて合理的に作戦を進めています。

また、政治性がなかったので頼朝の怒りをかって滅びたという書き方をされていますが、実際は当初は軍事担当は範頼で、義経は京都の朝廷調整担当だったこと。朝廷との関係は良好で政治力はあったように推測されることが示されます。

無断任官問題も裏付けに乏しい。

義経が失脚した原因として、義経は西国の勢力を重視していたのに対し、鎌倉幕府は東国武士を重視していたからと示されます。

「平清盛と後白河院」元木泰雄著

最近元木先生の本ばっかり読んでる気が。これは清盛と後白河院の関係が主要テーマ。

今まで無能とされていた信頼や成親の役割とか、長男の平重盛の立ち位置とか。信頼の兄が平泉で重鎮になっていたとはね。

清盛没後の源平合戦における後白河院の動静が新規性があって面白かった。

平知盛が京から撤退するときに、後白河院はさっさと平家の手から逃げて源氏についちゃったので、後白河院は平家と和平する道はなくなったのですな。鎌倉方は義仲を討った直後は兵力や兵糧が不足していて、平家とことを構える気は薄かった。それを後白河院がケツを叩きまくったと。

後白河院のことは政治力が全然ないとめちゃ低評価ですが、最後まで生き残ったのがすごいわな。

大腸内視鏡検査

健康診断で便潜血ということで、人生で初めての大腸内視鏡検査受けました。

金曜は検査食というパックのお粥とかスープを食べ、夜の7時から下剤を飲みまくり。

粉の下剤を溶かして2リットル作り、10分ごとにコップ一杯づつ飲んでいきます。

下剤は薬品テイストなりんご味でクソマズ。

最初の1リットル飲んだところで便意が無く、ちょっと焦ったのですが、その後はじゃんじゃん出ました。下剤1リットルと水0.5リットル飲んだところで、便が透明な液体になったとして終了。

土曜の朝に医者に行って、検査。脱水防止の点滴を受けつつ、内視鏡を入れられる。

目の前のモニターで自分の腸を見せられて、ああハツだなあという感じ。痛み止めとかは打たなかったけど、そんなに辛くはなかった。

医者に、腸にまだ便が残っているので、水で流しながら検査する必要がある。下剤はもっと飲まないといけないと注意を受ける。

盲腸まで入れられて、腹の中をぐるっと回ったような違和感あり。

ポリープが一箇所見つかり、輪っかみたいなもので切除。

ポリープ切除したので、検査から手術にレベルアップ。医療保険に請求できるとのこと。

検査後は点滴に出血止めを入れられ、ちょっと休憩。2日くらいは消化の良い食べ物を心がける。検査結果の所見は後日。

医療保険に請求できるか確認中。

「源平争乱と平家物語」上横手雅敬著

平家物語の個別エピソード集。主要人物のエピソードとか、主要舞台の解説とか。

元木先生の本に比べると、信頼の評価とか通説寄りな感じ。同じような話が多いので飛ばし気味に読了。

「保元・平治の乱 平清盛 勝利への道」元木泰雄著

元木先生の本で前に読んだ「平清盛の闘い」は清盛が主役で、今回は保元・平治の乱の群像のお話。

藤原信頼は、ドラマとかだと無能の典型でなんで首魁になったのかよくわからんところがあったのですが、摂関家没落後の武力の元締め的な存在だったとのこと。歴史のifとして、武家の世の中になる以外に、信頼が武力を持った武家貴族みたいな存在が主流になる可能性があった。

信西勢力による信西追い落としの後、短時間で勢力が入れ替わって、信頼が没落し、経宗・惟方が没落し、平清盛が生き残るというのはドラマチックな展開ですね。歴史をやり直したらまた違う展開になりそう。