「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」クリス・ミラー著

半導体の歴史。発明から、量産化に向けた起業家たちの役割。冷戦でソ連の物量に対抗するために半導体による精密兵器の開発。日本の半導体産業の勃興と没落。韓国や台湾の先端半導体生産の集約。米中の半導体をめぐる確執。

半導体有事」における近年のアメリカの強力な対中半導体規制までは書かれていないので、「半導体有事」は後日譚的な感じがあります。

shpolsky.hatenablog.com本のページ数自体は多いですが、各章は読みやすいサイズになっているので飽きずに読み続けられます。一番感銘を受けたのはEUVリソグラフィのオランダASMLによるEUV開発のお話で、装置の各要素がそれぞれキチガイ地味た超高精度のもので成り立っている。

EUVを発生させるために320km/hで100万分の30mのスズの液滴を射出し1秒間に数万回スズ液滴にレーザーを直撃させる、レーザーの冷却に1秒間に1000回転する磁石送風機、カールツァイスによるモリブデンとシリコンの100層薄膜コーティングミラー

EUV発生装置は一台200億円以上。所有数はTSMC100台、サムスン35台、インテル15台。