「妻を帽子とまちがえた男」オリヴァー・サックス著

ハヤカワ文庫。サックス先生による、脳の症例集。
ほとんど意識してないけど、人間は見たママを見ているわけではなく、見た画像を画像処理して意味を読み取ってるわけで、そのあたりが壊れると見えてても認識できないことになるわけですな。
若いころの記憶しか無い人の話とか、それ以上に記憶がなくなって瞬間瞬間に自分のストーリーを作り続ける人の話とか、結局のところ過去というのはなんなのか思います。記憶がなくなったら過去がなくなるわけで、ということは過去は脳の中の配線で、クリシュナムルティ的に言うと過去も未来も妄想ってことですな。仏教的には無我の言い換えと思います。自分も修行して認識できるようにしたいなあ。