「呉越春秋 湖底の城」3,4巻 宮城谷昌光著

伍子胥が楚から逃げ、呉の公子光の客分になって、公子光が呉王を倒して王になるのを助ける。

有名な魚の腹に剣を入れて暗殺するシーンが出てきます。

3巻でやっと子供の頃の范蠡が出てきた。

4巻が終わってもまだ呉越の争いは発生していない・・・

もう伍子胥の父と兄の仇の楚王と奸臣は死んじゃったので、恨みのテンションをどう維持するか。

欲望の資本主義

主流ではない経済学者との対話本。

スティグリッツ、セドラチェク、スタン。

アダム・スミスの見えざる手は今では正しくないという指摘は結構びっくり。

不況にアクセル踏むのは熱心だけど、好況にブレーキ踏むのも重要だよねという話は自分も結構思うことなので共感。山が高すぎると谷が深くなるので、ならすようにするべき。

「呉越春秋 湖底の城」1,2巻 宮城谷昌光著

全8巻のうち1,2巻を読みました。

楚人の伍子胥が主人公で、兄の治める町で色々な人と出会って人の輪を広げます。

2巻の後半で話が展開して、奸悪な楚王と大臣の策で父と兄が投獄され、助けに行くも失敗して・・・で次巻に続く。

海音寺潮五郎孫子を読んでいるので、呉越戦争の大筋は知ってる。伍子胥の運命はわかってますが、そこは歴史小説なので自分の知ってる話を作者がどう料理するかが面白いところです。

前に読んだ孟嘗君では孫臏が出てくるわけですが、こちらのほうが200年くらい前ってことか。

「世界史をつくった海賊」竹田いさみ著

ちくま新書。題名は若干間違いで、イギリスの海賊の話。

エリザベス女王の時代、弱小国だったイングランドを強くするために、海賊を使ってスペイン船を襲いまくったという内容。ドレイク等のイギリス海賊のエピソードが色々あって勉強になった。

後半で東インド会社を作ってコーヒーとかお茶とかを交易した話はテーマがずれてるような。

翔んで埼玉

地上波で放映したので見ました。

想像以上にひどい!埼玉人はこれを喜んでみたのか・・・

武蔵国から東京と横浜を除いた残りが埼玉という冒頭の話は感心。

愛知県人としては、東海地方の名古屋ネタに近いものを感じる。

「クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回」杉山正明著

モンゴルによる征服は破壊ばかりというのは後世の嘘で、実際は世界中が通商で結ばれて活性化した時代だよというお話。

クビライが後継者戦争に勝つ前から、大都の整備を始めてて、南宋の攻略を見据えた統治構造のグランドラインを考えてたというのは驚き。そもそも元の時代ってどんなのか全然知識ないし勉強になりました。

南宋戦のくだりが面白く、南宋を北から攻めるのは長江がある上にその北に無人地帯が広がってて補給が困難。襄陽を攻略して長江を西から東に攻めるしかない。三国志を見ても、長江を北から南に攻めるのは困難なんだなあ。

襄陽戦というと、神雕剣侠でモンケ・カーンが討ち取られていたような(^_^;)

「執念の家譜」永井路子著

鎌倉時代と戦国時代の短編集。

題名は三浦一族の話で、宮将軍を報じるも結局北条に宝治合戦で負けて滅ぼされるも、三浦氏の生き残りは戦国大名になって、最後は北条早雲に滅ぼされる。

曽我兄弟の仇討の話は詳しくは知らなかったのだけど、実は仇討ちではなく反乱で、北条によって史実改ざんされたというお話。

一番興味深かったのは宮部継潤の息子長房の話。鳥取20万石だったのに関ヶ原で意味不明な行動して取り潰しのバカ殿と聞いてたけど、この本では以前宮部家の家老だった田中吉政にはめられてこんな行動になってしまったという。