シリーズ6,7で唐、宋を扱ってますが、今回は同時代に存在した北方の騎馬民族の話。
後世の中華的歴史書のせいで勘違いされていますが、唐の安史の乱以降から元まで、華北以南の諸勢力は地方政権でしかないという指摘。遼(キタイ)、金、元しか広域国家と呼べる存在はない。
五代十国の時もメインプレイヤーは遼で、五代も軍閥程度にしかすぎない。宋も長続きしない可能性が高かった。
この本の前半はキタイの耶律阿保機、李克用存勗、朱全忠あたりの華北攻防をメインに書き、後半はモンゴルの世界制覇を書いています。大元ウルスによる世界システムの構築の話はとてもスケールがでかい。