尊敬する人

私が尊敬している歴史上の人物として范蠡 (はんれい)という人をあげたことがありますが、他にも馮道(ふうどう)やジョゼフ・フーシェなどを尊敬しております。馮道は中国の五代十国(唐と隋の間の国ががんがん入れ替わって混乱した時代)時代に後唐、後晉、遼、後漢、後周と5朝8姓11君に仕え、20年間宰相をやっていたという政治家です。変節漢と言われてますが、保身の天才と言うより、混乱した時代だった故に君主より国の安定を重視して行動が一貫していたからどんどん入れ替わっていく君主達にも信頼されたのでした。クーデターを考えていた将軍が馮道の様子を見て賛成してくれそうに無かったから叛乱するのをやめたとか、とある将軍が首都についたら馮道が迎えに来たから皇帝の座についたとかなかなかおもしろいエピソードがあります。
フーシェフランス革命期の政治家で元は坊主だったのが革命がはじまってから議員になり、地方都市で反革命分子を虐殺しまくって「リヨンの霰弾乱殺者」という渾名と呼ばれました。元坊主のクセに教会を略奪しまくり、国王の処刑を決める投票では賛成票を投じます。革命のリーダーのロベスピエールと対立すると暗躍しまくってテルミドールの反動ロベスピエールのくびちょんぱに成功し、そのあとは巧みに時流に乗り警察長官に就任。ナポレオンが実験を握った時にも地位を維持。というかスパイ網を作り上げてアンタッチャブルな存在になっていたんですね。ナポレオンの奥さんのジョゼフィーヌも買収済みでした。その後いったんナポレオンと対立して失脚するもナポレオンがエルバ島に流されたときに警察長官に復帰、ナポレオンが戻ってきた時も留任、ナポレオンがまた負けて流されて王制に戻った時も留任・・・しそうでしたがさすがに国王殺しですので失脚、という権謀術策の鬼です。