「わたしの普段着」吉村昭著

吉村先生の自分の生い立ちと小説の取材エピソードを中心にしたエッセイ集。吉村先生は若い頃に結核で死にかけて、左の肋骨をかなり切断、左肺切除するという大手術して生き残ったという経験があって、エッセイにも繰り返し出てきます。やっぱこういう人生観を変える出来事に出会わないと良い文章は書けないんでしょうかね?
取材のため日本中を旅行して、北海道は二百回以上、長崎は百回以上行ったとか、さすが実録重視。自分も学生の頃小説書こうとして、あまりに引き出しが少なくて断念した記憶があって、物書きになろうと思ったらこういう執念が必要なことがわかる。
奥さんは津村節子という小説家で、吉村先生がいろいろ賞を取る前に芥川賞取ってるとは知らなかった。


映画「海角七号 君想う、国境の南」見ました。
台湾映画で台湾で大ヒットした作品。日本の敗戦で引き裂かれた日本人と台湾人との間の恋文を軸として、現代の台湾を舞台として売れない日本人モデルと夢敗れた台湾人歌手との間のラブストーリー、というあらすじでいいんだろうか?真のテーマは台湾人の日本に向けての思いでは・・・ということはいろんなところに書いてますね。