ホミニッド―原人

ロバート・ソウヤーの新刊「ホミニッド―原人」を読んだのですが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150115001/qid=1109862516/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-8639624-1913003
ソウヤー作品の中では最も彼の思想性が悪い形で出ています。
どうもアメリカ系(ソウヤーはカナダですが)の人間はキリスト教を根本に持った近代の民主主義的思考から抜け出して、自らを客観視することが難しいようです。このあたりが昨日書いた「アメリカ人は根がマジメで冗談が分かってない」部分です。キリスト教的一元思考で、物事には多面性があることを理解していない。このあたりはブッシュ政権にあてはまるようですが、アンチブッシュ民主党系の人たちも根本的には同じなのです。
SF小説家だとジェイムズ・ティプトリー・ジュニアはそのあたりの価値観がよくわかっています。カトリックを正統な思想としながらもあそこまで客観性を持てたチェスタトンは実に偉大です。神がアプリオリに正しいとしたのではなく、人間の本性に必要だと考えたのですな。そういえばブラウン神父もアメリカ人の特性について述べた回がありました。