「永楽帝――華夷秩序の完成」檀上寛著

講談社学術文庫

明朝第三代皇帝永楽帝の業績について。

北の守りの燕王が、甥の二代皇帝を倒して三代皇帝になったという話は知っていたものの、詳細な話は知らなかった。蜂起する寸前は戦力を削減されまくって、数百程度しか兵力がなかったんですね。乾坤一擲的な南京攻略に成功して天下を取ることができた。

首都南京を永楽帝が北京に遷都したことで、明から清、中華人民共和国まで中国の首都は北京になった。

外交も積極的にモンゴルへの北伐、鄭和の大航海等進め、内政は宰相を廃止して皇帝独裁体制を築いた。

二代皇帝から簒奪したのを正当化するために、歴史書を捏造しまくりというのは引くなあ。

「子産」宮城谷昌光著

春秋時代の鄭の政治家子産のお話。

子産個人というより、鄭の政治家の群像劇って感じかな。

子産は子供の頃のほうがキャラが立ってて、将来を見通す力がすごいんだけど、大人になって政治家になると若干影が薄くなるという・・・

大国普と楚の間で始終離反しないといけない小国鄭の政治家は大変ですね。

あの人は徳が薄いのでまもなく死にます!とか予言が結構多いけど、これって色んな人が色んな人の予言していて、あたった予言だけが残っているのでは・・・

「晴子情歌」高村薫著

前に読んだ太陽を曳く馬の前の話。話的にはほとんど繋がりはない、と思う。

母の晴子の人生をベースに、晴子と息子の彰之の二人を主人公として時代の雰囲気とか、青森の旧家の淀んだ血脈とかが主題・・・かな、テーマはよくわからなかった。

親子二人の話と言っても、時系列は二人の二列と見せかけて、かなり色々飛んでるので混乱させられる。と言っても時系列はさほど重要でなく、単体のエピソードそれぞれが重要なんだろうか。

男性の登場人物はほとんど母晴子に惹かれていて、晴子はそれで大変なことになるシーンもあるのだけど、普通の小説ならそれがメインテーマになってもおかしくないけどかなりさらっと流れていて、晴子は主人公のくせに最も得体のしれないメンタリティと感じたりする。

とグダグダ書きつつ、ニシン漁のシーンが一番面白かったような気もする。

 

時代はそんなに遠くないはずなのに、ふらいんぐうぃっちと同じ地方の話とは思えないな。

「土の城指南」西股総生著

「城取り」の軍事学と似たようなテーマなんだけど、こっちはかなりガチに縄張り図の作成方法を指南している。

城の各パーツの解説が非常に勉強になった。

新しく建てた天守犬山城そっくりばっかとか、見やすくすることを重視しすぎて跡を破壊しているとか苦言もあり。そういう考え方はなかったので参考になった。

「戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢」西股総生著

戦国時代の軍隊の構成について。

正社員の武士と非正規の兵士の二重構造だったというのがテーマ。

渡辺勘兵衛の山中城攻めのくだりはとても面白い。山中城は行ったことあるので、どんな感じな城か想像できるのだけど、重装歩兵が曲輪をどんどん突破していくのはにわかには信じがたい。自分は山城で攻撃を想像したりするけど、死傷者めちゃ出そうと思っていたりする。

城攻めは物量攻撃するのかと思っていたら、手練の武士による特攻が重要だったのですね。

ランペイジ 巨獣大乱闘

三連休、天気が微妙なので家でDVD見たりしてグダグダすごす。

謎のガスを吸って巨大化したゴリラと狼とワニが、都市で大暴れする映画。

人間パートは退屈だけど、巨大化怪獣大暴れシーンは面白い。

米軍の攻撃は全然通じないのに、ザ・ロック兄貴は割と普通に対抗しててワロタ。腹に弾があたっても、重傷じゃないからヘーキヘーキと普通に戦闘してるし。。。