「晴子情歌」高村薫著

前に読んだ太陽を曳く馬の前の話。話的にはほとんど繋がりはない、と思う。

母の晴子の人生をベースに、晴子と息子の彰之の二人を主人公として時代の雰囲気とか、青森の旧家の淀んだ血脈とかが主題・・・かな、テーマはよくわからなかった。

親子二人の話と言っても、時系列は二人の二列と見せかけて、かなり色々飛んでるので混乱させられる。と言っても時系列はさほど重要でなく、単体のエピソードそれぞれが重要なんだろうか。

男性の登場人物はほとんど母晴子に惹かれていて、晴子はそれで大変なことになるシーンもあるのだけど、普通の小説ならそれがメインテーマになってもおかしくないけどかなりさらっと流れていて、晴子は主人公のくせに最も得体のしれないメンタリティと感じたりする。

とグダグダ書きつつ、ニシン漁のシーンが一番面白かったような気もする。

 

時代はそんなに遠くないはずなのに、ふらいんぐうぃっちと同じ地方の話とは思えないな。