これまでの興亡の世界史シリーズとは若干趣が違って、大英帝国の歴史を俯瞰する内容ではなく、種々のエピソードを紹介する新書的な内容に感じました。
アメリカの独立が一大転機で、この前後で植民地に対する扱いが変わってくるという話が興味深い。イギリス人は、アメリカの人をアメリカに住んでいるイギリス人と思っていたのが、新たなアイデンティティを持っていたことに気づかなかった。独立によって気付かされたんですね。
ミドルクラスの女性がクラスを落とさずに収入を得ることができる職業は家庭教師だけという記述も参考になった。イギリス本土では女性あまりで、あぶれたミドルクラスの女性が文化を届けに大陸に行こうという触れ込みでカナダに行っても、知的労働者は求められていないという・・・