「鳥居耀蔵」松岡英夫著

中公新書水野忠邦の下で天保の改革の推進した人物。
本の前半が天保の改革蛮社の獄で世間をいかに締め上げたか、
後半失脚後丸亀でお預けとなり、明治まで23年間生き抜いたという内容。
前半で遠山金四郎を陥れようとしたとか、水野忠邦を一度裏切ったものの、忠邦がすぐ復権して失脚するハメになるあたりは面白いものの、それ以外の弾圧の繰り返しはゲンナリ水野忠邦は改革の意思はあるものの、企画実行する能力が足りないとの評価。
後半丸亀でお預け、普通は幽閉状態になると早めに死ぬものだけど、鳥居は生きる意思が協力で漢方の知識を駆使して23年間生き抜く。このあたりが一番面白い内容でした。幕末幕府の統制がゆるくなると、鳥居は年間400人と病人を診察する医者状態に。
維新後は好きに生きろと丸亀藩に放り出されて、東京で息子に頼って数年間生活して死す。
山田風太郎の東京南町奉行で、東京に戻った鳥居の話が書かれたと思いますが、詳細は忘れました。。。