「進化の謎を数学で解く」アンドレアス・ワグナー著

進化論の適者生存の理屈では、環境に適応できない種は淘汰されて適者が残るということですが、その適者がどうして生まれるかが進化論では言及されていない。この本では適者が生まれる仕組みを数学的に説明したというお話。
偶然によって適したDNAやタンパク質が生じるかという問題で、解が少数ならほとんど可能性は無いのだけど、実際の自然はもっと強靭に出来てて解はネットワーク的に無数に存在するというのが肝でした。
大腸菌は遺伝子の水平伝播を煩雑に行ってて、とんでもないスピードで進化しているという話に驚き。
話が生物だけではなく、自然自体まで及んでくると、昔読んだドイッチュの「世界の究極理論は存在するか」につながってくるような気がしたりしました。