「百姓から見た戦国大名」黒田基樹著

戦国時代における村と領主の関係について書かれた新書。
調査から、戦国時代では季節ごとの餓死者数に周期があって、収穫期前には餓死者が増加することが示される。戦国時代は餓死が日常的に生じる出来事であることがわかる。
人が生き残るために村に所属する必要があり、村は日常的にいくさを行なっていた。利害の一致する村同士の同盟も盛んで、いくさになると広範囲の複数の村を巻き込む自体になった。
戦国時代の領主にとって、御家人や村の間の争いの調停が重要であり、領主が公正な裁定ができないと国が乱れることになった。
大名の意志だけで国が動くイメージがありますが、実際は村レベルの意志も無視できないということですな。