太平洋戦争時に連合艦隊司令長官古賀峯一大将が搭乗機が墜落して殉職した事件、通称海軍乙事件を書いたもの。古賀大将殉職も大変なことですが、もっと大変なのは不時着した二番機に搭乗していてフィリピン人ゲリラに拘束された福留繁参謀長所持の軍事機密が奪われてしまったことです。この軍事機密は米軍の手にわたり、マリアナやレイテでの戦いに影響を及ぼした可能性があります。この大失態にも関わらず、福留参謀長は救出された後罰せられることなく栄転しちゃうなど海軍の身内に甘い体質が如実に出ることになるのでした。
他にも連合艦隊司令長官山本五十六が戦死した際の護衛機パイロットのその後を描いた「海軍甲事件」と日清戦争で死んでもラッパを話さなかったラッパ手の話も収録されてます。ラッパ手の名前は木口小平だと思っていたのですが、当初は白神源次郎とされていたのですね。
