「大黒屋光太夫」吉村昭著

江戸時代に伊勢の船頭大黒屋光太夫ら17名は江戸への航海中に漂流し、アリューシャン列島に漂着。その後ロシア人の助けによって女帝エカチェリーナに謁見し、帰国を許され蝦夷経由で帰ることができたのですが、日本に帰ることができたのは三名だけで、そのうちのひとりは根室で死亡することに。
生き残った光太夫と礒吉は江戸小石川で住居を与えられることに。おろしあ国酔夢譚だと光太夫たちは小石川で軟禁生活ということになっていますが、最近発見された資料により軟禁されていたわけではなく、江戸市中を出歩いていたり、故郷の伊勢に帰ったりと結構自由だったことが書かれています。
ペテルブルグで光太夫が駐露オランダ公使に頼んで長崎経由で日本に手紙を送っているのですが、それがどうなったのか書かれてないのが気になります。触れられてないので結局届かなかったのかなあ。