「闇を裂く道」吉村昭著

東海道線最大の難関である丹那トンネル工事のお話。
国府津から御殿場線で富士山の北を回っていたのを、熱海からトンネル掘って三島に抜けるルートに使用とするのが目的。
当初は7年で完成の予定が、大量湧水や地震による断層ズレ等で16年後の昭和9年完成ということに。話の前半では崩落事故による生存者の救出が山場で、後半では一転してトンネルによる大量湧水を原因とする丹那地区の渇水に焦点が当てられます。
ブラタモリでは熱海の水不足は丹那トンネルからの湧水で解決したようなこと言ってたけど、その影でトンネル上の地区が渇水になって耕作ができなくなって酪農に転換したというとんでもない事態があったとは知らなかった・・・
その後の弾丸列車計画で作られた新丹那トンネルを使って新幹線が通っているのは感慨深い。といっても新幹線乗っててもいつ新丹那トンネルか気づかないけど・・・