「ブッダ最後の旅」中村元

岩波文庫。中村先生による大パリニッバーナ経の翻訳。
きのこ料理を出した鍛冶屋を心配するなど、非常に慈悲に満ちた仏陀の言葉に感心。
仏教はよく言われるような虚無の哲学ではなく、心の平穏のために戒律や慈悲が用意されているのよね。
ヴィパッサナー瞑想法をかじっていると、仏陀の「よく気をつけなさい」という説法の意味合いがかわってきます。ヴィパッサナー瞑想法が本当に仏陀の瞑想法なのかは保留中。
仏陀が死ぬ寸前に、第一禅から第四禅、さらには非想非非想処定の境地に行き、また第一禅に戻り、第四禅に行って亡くなるという記述はサマタ瞑想の順番として非常に面白い。周りの人間がどうやって確認したのか気になるところ。