「海洋帝国興隆史」玉木俊明著

ヨーロッパ諸国が大航海時代にいかにして世界の覇権を握ったかを実証ベースで語った内容。
リスボンアムステルダム、ロンドンと貿易の中心が移っていき、電信による情報革命でイギリスが覇権を握ったという話は新鮮。
南北アメリカ最大の商品は砂糖で、最大の消費地はイギリスというのも面白い。イギリスの関税が高額で、スウェーデンなどの密輸による輸入量がかなり大きいという話もあり。

「古代インドの思想」山下博司著

ちくま新書インド亜大陸のモンスーン気候がいかに過酷で、外部からの侵入を拒んだか、内部の文化が独自の発展を遂げたかという内容。
古代アーリア人がインドに侵入し、土着思想と融合し、どのように思想の経緯を辿ったか。遊牧民族的思想が、雨季と乾季のある土地で農耕民族となった時にどのように思想が変わっていったか説明されています。
雨季と乾季のある土地では、欧米的な勤勉が良しとされる価値観は成り立たず、自然に任せて無理をせず忍耐強く生きる価値観が良いとされるそうです。