「脳科学者の母が、認知症になる」恩蔵絢子著

大学の研究者である著者が、母が認知症になって、脳科学的な分析と母との日常を記した内容。

私も親類が認知症になったことがあるので、この本で書かれる描写はとても身につまされるものであった。冷蔵庫の中が満杯になるとか、衣服が山となって積んであるとか。

筆者は、脳の機能が衰えてできなくなることが多くなったとしても、それで母ではなくなるのか、能力がなくなっても残るものがあるのではないかと問いかけている。

話すことに辻褄が合わなくても、その人らしさは消えない。