「田沼意次」中下 村上 元三著

全3巻のうち2と3。

田沼意次は老中になって、印旛沼蝦夷の開拓といった野心的な計画を進めるも、嫡男意知が刃傷で死亡し、さらに御三家や一橋治済、松平正信らと対立して失脚する。

全体的に、田沼は賄賂貰いまくってるけど、人事に関与してないよというように、世間で言われてるほど政治を専横していないことを強調しているけど、実際に幕閣を身内で固めてる時期もあったわけで言い訳くさいんだよな。

松平正信が治済の画策で、田安家から松平に養子に出されて、将軍レースから外されるのはあり得るかもと思ったり。別の本によっては田沼と治済の画策だったりする。正信は治済と敵対するかに見えて、田沼を失脚させるために手を結ぶのは政治だなって感じ。治済は田沼の前では終始下手に出て、気が弱そうに見せて結局野望を通していくのは、いかにも権謀術の達者っぽい。