「田沼意次」上 村上 元三著

全3巻のうち1。

田沼家は紀伊足軽で、意次の父の代に吉宗に従って江戸に行き旗本になる。

龍助、後の意次は吉宗の世子家重の小姓となり、持ち前の才覚で頭角を現していく。

上巻では家重が将軍を継ぎ、吉宗死去、家治が将軍、家重死去と時代の流れが早い。意次も40代に。言語不明瞭な家重に気に入られて、家治にも重用される。

旗本から加増されて遠州相良(今の牧之原市)の大名になり、城の建築も許される。

家庭内は結構たいへんで、父は早く死に、最初の妻は子供を生む前に早く死に、次の妻は男子を生むも、実家の父が不始末をして追放されたのを機に頭がおかしくなって別邸に隔離され死亡。

江戸時代の武家の家庭内とか江戸城内の風景が書かれていて面白い。

まだ上巻で結構中身が濃いのに、まだ二巻あるという。